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【必見】起業の準備でやること12選!リスト化してそれぞれ紹介します
従業員として雇われるのではなく、自分で会社を起業したいという方が増えてきています。 しかし、「起業したいけどなにをしたらいいの?」と考えている方も多いでしょう。 この記事では、 ・起業準備でやることをリスト化する理由 ・起業するまでの流れ ・起業に必要なやることリスト12選 ・起業や独立に必ず必要なものは? ・よくある質問 を紹介します。 この記事を読んで、「起業までのやることを明確にしたい」「起業までの不安を解消したい」と思われる方の参考になればと思いますので、ぜひ最後までお読みください。 起業準備でやることをリスト化する 起業準備をするときにやることをリスト化することは必要です。なぜなら起業は準備の段階が非常に重要になるからです。起業するには資金を調達する以外にも、事業計画を作成したりさまざまな書類を作成したりしなければならないため、思いつきでできるものではありません。 起業準備のやることリストを作ることで、やらなければいけないことを整理できて重要なことを見逃すことも少なくなります。これをしてみたいという思いは大事ですが、まずは起業準備をする上でやることをリスト化して、コツコツとこなしていくことが重要です。 5STEP:起業するまでの流れは? 起業とは自分自身で新しい事業を立ち上げることです。株式会社や合同会社の設立の他にも個人事業主として事業を始めることも、起業に含まれます。ここでは、起業するまでの流れを解説します。 起業までの流れは次の通りです。 1.起業の目的や理由を考える 2.事業計画を立てる 3.起業形態を決めて、会社設立や開業の手続きを行う 4.資金計画を立て、資金を集める 5.事業開始の準備を行う 1.起業の目的や理由を考える まず、自分がなぜ起業したいのか、起業する目的や理由をしっかり考えておきましょう。単なる思い付きだけで起業すると、仕事のやり方やライフスタイルも今までとは大きく変わるため、モチベーションが長続きしない可能性があります。 例えば、起業することが自分にとってどんなメリットがあるかを考えてみましょう。「自分の好きな分野、得意分野で仕事ができる」「自分の判断で事業を進められる」など、起業にはさまざまなメリットがありますが、自分の好きな分野や得意分野でなくても起業している方は多く存在します。 起業することで、誰の役に立てるのかを具体的に考えてみることが大切です。 また、自分自身が納得できる起業の目的や理由があるかも考えましょう。起業する理由は人それぞれであり、必ず必要な理由や目的はありません。自分自身が納得し、意思を固めることができれば、実行するのみです。他人の意見や状況に流されることなく、「なぜ起業したのか」を自分の中で明確化して確認しておくことが、起業への第一歩といえるでしょう。 2.事業計画を立てる まず、どのような事業でどうやって収益を上げていくかを具体的にまとめた事業計画を立てます。開業する事業内容を具体化するときには、扱う商品やサービスの他に、価格の設定や販売するターゲット層、販売の仕方や集客方法なども考えておきます。 また、自分の提供する商品やサービスを顧客に選んでもらえるように市場や競合他社を分析し、差別化を図ることを意識してみましょう。起業アイデアがまとまったら、資金調達や営業開始後の目標確認に使用する事業計画書を書いていきます。 事業計画書を作成する理由としては、自分が計画した事業の内容や経営方針、財務計画、業績予測などを簡潔にまとめ、事業を成功させるためです。説得力がある事業計画書は、事業に対する理解やイメージが固まります。 そのため、金融機関から融資を受けやすくなります。 3. 起業形態を決めて、会社設立や開業の手続きを行う 現在の日本で設立できる会社の形態は、「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類あります。設立する会社形態を決めてから、それぞれに必要な手続きを行いましょう。 会社設立の手続きは必要書類の作成や申請、認証などに意外と時間がかかります。希望する起業時期からスケジュールを逆算し、余裕を持って計画を立てることが大切です。会社を設立する場合、起業資金とは別に設立手続きのための費用がかかります。株式会社か合同会社かによっても設立費用は異なるため、会社形態に合った設立費用をチェックしておきましょう。 起業する際に、個人事業主から始める方もいます。法人と個人事業主の違いの1つは、課税される税金の種類です。税金の種類が違うことにより、同じ利益でも納める税金の額が変わってきます。 会社を設立するにはさまざまな手続きが必要ですが、個人事業主として開業する場合は、開業から1か月以内に税務署や地方自治体に開業届、その他一定の期限内に青色申告承認申請書などを提出すればおおむねの手続きは完了します。 そのため、手続きが少ない個人事業主から始める方も多いです。 4. 資金計画を立て、資金を集める 起業形態が固まったら、起業するための資金を確保しましょう。起業資金を考えるうえでは、自分が始めようとしているビジネスにどれくらいのコストがかかるのかを把握しておくことが重要です。起業に必要な資金は、大きく分けて「設備資金」と「運転資金」の2つあります。 設備資金とは、機械や事業用の車両購入費用、ホームページ制作費用、店舗・工場・事務所の内外装工事や増改築費用など、事業に必要な設備を購入するための資金のことです。運転資金は、家賃や光熱費、仕入れ代金など、会社が事業を続けていくうえで必要となる資金のことです。設備資金と運転資金を分けて考えることで、継続的に必要な費用を割り出せます。 起業したばかりのころは安定した売上があるとは限りません。 事業の内容や規模によって異なりますが、一般的には運転資金の3か月分程度は確保しておいた方がよいといわれています。 また、起業する際には、事業に使える自己資金を確保してからスタートさせましょう。資金計画どおりに軌道に乗らなかった場合に備え、自己資金に加えて、日本政策金融公庫の創業融資制度などを利用して外部から資金調達をしておくと安心です。 外部から資金を調達した場合、方法によっては返済しなければならない可能性があります。 返済で経営が圧迫されないように、起業に必要な資金の3割以上は自己資金で準備しておくことが大切です。 関連記事:日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の流れをプロセスごとに解説 関連記事:起業家必見!日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の必要書類を紹介 5. 事業開始の準備を行う 会社設立・開業の手続きと資金の準備が完了したら、事業計画を実行に移していきましょう。会社の設立後はさまざまな事務処理が発生しますが、中でも重要なのが会計業務です。 業務を開始してから慌てることのないように、会社設立のタイミングで会計ソフトを導入しておくといいでしょう。ただし、会計や申告には税務の知識が不可欠となりますので、税理士や商工会議所などの支援機関に依頼し、そこで勧める会計ソフトを利用した方が良いでしょう。 起業に必要なやることリストを12選紹介 実際に起業に必要なことは次の12個です。 ・国民年金や国民健康保険に切り替える ・開業届を提出する ・許認可申請を行う ・資金調達をする ・銀行口座を開設する ・Webサイトや名刺などを準備する ・就業規則を確認する ・利用できる補助金や助成金がないかチェックする ・インボイス制度に対応する ・確定申告の準備を始めておく ・訴求する商品やサービスを明確化する ・会社員の場合、辞めるタイミングを考えておく 国民年金や国民健康保険に切り替える 会社員から個人事業主に変わる場合は、勤務先の社会保険から、国民年金と国民健康保険へ切り替える手続きが必要です。会社を退職した日から14日以内に、住所地の市町村役場で切り替え手続きを行いましょう。 会社に勤めながら副業をする場合は、社会保険の切り替え手続きは不要です。また健康保険については、退職後の翌日から2年間は会社員の時の健康保険に継続して加入できる健康保険任意継続制度を利用できます。 健康保険任意継続制度を利用すれば、会社が負担していた保険料を自分で納めることになりますが、扶養家族がいる場合は世帯全体での健康保険料を国民健康保険よりも抑えられる可能性があります。 開業届を提出する 個人事業主として開業するには、納税地を所轄する税務署に開業届を提出する必要があります。開業届の提出期限は、事業開始日から1か月以内です。提出方法は税務署の窓口、郵送、e-Taxの3つになります。 また開業届を提出する時に、一緒に考えておきたいのが確定申告の方法です。個人事業主の確定申告は大きく分けて白色申告と青色申告の2つが選択できます。青色申告をする場合には、事前に青色申告承認申請書を提出しましょう。 提出先は税務署なので、開業届を提出するタイミングで一緒に青色申告承認申請書を提出すると一度で済みます。なお、何も申請していない場合には、白色申告として扱われるので注意が必要です。 青色申告は、白色申告と比べて帳簿や申告の要件が厳しくなりますが、青色申告では税制上の様々な特典を受けられます。白色申告よりも手間はかかりますが、節税のメリットが大きい青色申告がおすすめです。 開業する時に、開業の形態によっては開業届以外の届け出も必要です。例えば、家族に給与を支払う時の「青色事業専従者給与に関する届出書」のほか、給与支払いをする事務所を開設した場合の「給与支払事務所等の開設届出書」などがあります。従業員を雇うことで、書類や手続きも変わるので事前に準備しておきましょう。 その他、地方自治体にも事業開始等届出書の提出が必要となりますし、従業員を雇用する場合には労働基準監督署や公共職業安定所への提出書類も必要となる場合があります。 関連記事:フリーランスの開業届の書き方と提出方法とは? 許認可申請を行う 業種によっては、開業にあたって許認可申請が必要な場合があります。 許認可とは、特定の事業を行うために必要な手続きのことで、届出、登録、認可、許可、免許の5つの種類があり、手続き窓口は許認可の種類によって異なります。 例えば、飲食店を開業する場合は、保健所の営業許可が必要です。また、食品衛生責任者を施設ごとに1人設置する必要があり、食品衛生責任者になれる資格を取得するか、講習会に参加して資格を取得しなくてはなりません。 その他にも美容室は保健所への届出、旅行業は運輸局や都道府県庁への登録などが必要です。許認可が必要であるにもかかわらず、申請せずに事業を行うと罰則を受ける場合があるので注意しましょう。 資金調達をする 個人事業主の開業準備には、資金調達も必要です。業種によって開業準備にかかる費用は異なるので、事業計画を立てる際にコストと売上を予測して、必要な資金を調達するようにしましょう。開業時に準備しておく資金の目安は、開業後すぐに事業が安定するとは限らないため、開業時の初期費用に加えて、運転資金3か月分です。 初期費用は店舗やオフィスの敷金・礼金、内装費などの設備資金、運転資金は毎月かかる家賃や水道光熱費、仕入れ代金、人件費などが該当します。創業時の資金調達先としては、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」をはじめ、国や地方自治体による補助金・助成金、クラウドファンディングなどがあります。 開業時は実績がないため、銀行での融資が受けづらいこともありますので、創業に特化した融資先を検討してみてください。 関連記事:自己資金なしでも創業融資は受けられる?注意点を解説 関連記事:銀行から創業融資を受けられる?創業融資が可能な金融機関を紹介 銀行口座を開設する 開業する際は、プライベートの銀行口座とは別に、事業用の銀行口座を開設しておくとお金の管理がしやすくなります。銀行口座を区別しておけば、確定申告において、取引内容と金額を記載する仕訳作業の手間を少なくすることにもつながるでしょう。 また、個人事業主は、「〇〇美容室」や「〇〇商店」といった屋号を任意でつけられ、屋号付きの銀行口座を開設できます。屋号付きの銀行口座ならお金を管理しやすいだけでなく、取引先やお客様からも事業内容が伝わって信用を得やすくなるでしょう。 Webサイトや名刺などを準備する 開業して顧客開拓をしていくには、Webサイトやチラシ、名刺といった営業活動に必要なツールの準備をします。例えば、飲食業であれば地域の方に知ってもらうために開店イベントを行ったり、コンサルタントであれば実績を載せたパンフレットを作ったりすることが挙げられます。 また、友人や知人、元同僚、過去の取引先など、周りの方へ開業のお知らせを送付するのもひとつの方法です。開業したことを広く知らせることで、新たなビジネスチャンスにつながる可能性もあります。 しかし1人で開業した場合は、営業活動の他、自分で顧客管理や会計管理なども行う必要があります。 営業活動や制作活動に時間を割くためには、顧客管理ツールや会計ソフトといった日々の管理作業をサポートしてくれるツールも開業時に準備しておくと良いでしょう。 就業規則を確認する 副業で個人事業主になろうと考える場合には、会社の就業規則をまず確認しましょう。就業規則を確認する理由は、会社によっては副業を禁止している場合もあるからです。個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営む人を指します。 中には、個人事業主になるには会社を辞めないといけないと考えている人もいるかもしれませんが会社員を続けながらでも個人事業主になれます。その場合は会社との話し合いが必要になるので、会社に黙って副業をスタートしてトラブルに発展させないように注意しましょう。 会社員が副業として個人事業主になることは、キャリアの選択肢を増やしてリスクマネジメントするにも有効な手段です。 また、副業をスタートすれば会社とは別の収入を得ることになりますが、副業の所得が20万円を超えた場合には、確定申告をしなければならないので注意しましょう。所得とは、売上から経費を差し引いたものを指します。反対に、所得が20万円以下であれば申告は不要ですが、所得税のみの話です。 市町村に支払う住民税は副業であっても所得に応じた住民税が課税されます。所得が20万円を超えて確定申告をする場合には、税務署から市町村に連絡がされるため、住民税の申告は不要です。 一方で、確定申告が不要になる所得20万円以下の場合には、別に市町村に対して所得を申告しなければいけません。会社員として勤めていると会社側が年末調整で手続きするため、確定申告や住民税の手続きについて意識する機会は少ないかもしれませんが、副業として個人事業主となった場合には、忘れずに手続きを行いましょう。 利用できる補助金や助成金がないかチェックする 開業するにあたって、多くの事業者にとって問題になるのが資金です。できるだけ資金を多く用意したいと思っていても、開業したては融資が受けにくく、資金繰りで苦労することもあるかもしれません。開業時に資金が必要な場合は、国や地方団体の補助金や助成金の制度をチェックしてみましょう。 補助金や助成金の情報は、インターネットで調べられるほか、商工会議所などでも案内されていることがあります。開業・創業向けの補助金や助成金もあるので、こまめに調べておきましょう。 インボイス制度に対応する 2023年10月1日導入開始のインボイス制度は、課税事業者か免税事業者かによって取るべき対応が異なります。課税事業者の場合は、適格請求書発行事業者登録申請書を管轄の税務署へ提出して登録完了すると、インボイスの発行ができます。 未登録で前々年の課税売上高が1,000万円を超える場合は課税事業者になるため、申請手続きをしましょう。 免税事業者の場合は、適格請求書発行事業者の登録申請をして課税事業者にならないとインボイスを発行できません。取引先が仕入れ控除を受けられず、消費税が高くなってしまいます。 その結果消費税分の値引きを要求される可能性がありますが、課税事業者になると消費税を納税しなくてはなりません。メリットとデメリットを比較して、免税事業者のままにするか課税事業者になるか判断しましょう。 確定申告の準備を始めておく 会社員の多くは年末調整を行っているため、個人事業主となった時に確定申告を忘れてしまう人は多くいます。手続きが複雑な確定申告は手順に沿って作業を進めれば難しくありませんが、会計処理を怠ったままでいると、確定申告が近づいた時に作業が増えてしまいます。そのため、計画的に確定申告の準備を進めておきましょう。 個人事業主の会計期間は原則1月1日~12月31日で、確定申告は翌年の2月16日~3月15日に行います。つまり、会計は1月を期首として12月を決算月で記録しておき、翌年にまとめて確定申告の書類を用意して提出する流れです。 仕事の繁忙期と確定申告が重なる場合もあるので、事業の予定と合わせてどのように作業を進めていくかを考えておきましょう。 市場調査を行う 起業してどのような事業を始める場合でも、市場調査を行う必要があります。なぜなら、需要のない商品やサービスを提供しても売上は見込めないからです。市場調査では、「需要があるのか」「商品やサービスを求めている客層」「購入されやすい価格」などを調べます。 また、業界の流行などの最新情報の収集や競合調査も重要となるでしょう。市場調査の結果を踏まえて、どのような戦略で事業を展開していくかを検討します。 場合によっては、想定していた事業の方向性を大幅に修正しなければならないこともあるため、市場調査はしっかりと行いましょう。 訴求する商品やサービスを明確化する 起業の準備として、まず起業アイデアをまとめる必要があります。日頃から、さまざまなひらめきをメモしている人もいれば、やりたいことがあって「いつか起業しよう」とひとつのアイデアを温めている人もいるでしょう。 いずれにしても、それらのアイデアが事業として成り立つかどうかは実際にやってみないと分かりません。 具体的には「ターゲットとなる顧客の設定」「顧客にどのような価値を提供できるのか」「商品やサービスを提供する方法」の、3つのことを軸に起業アイデアをまとめて、事業コンセプトを作ります。 事業コンセプトは、事業計画を立てる際に必要になります。最初に事業コンセプトを明確にしておけば事業計画も立てやすく、準備もスムーズに進められるため、重要な作業です。 また起業や独立前には、訴求する商品やサービスを明確化することも大切です。訴求する商品やサービスを明確にしておけば、自社の強みを理解した上で、営業方法や人材採用などを進められます。 起業や独立後は、経営全体や売上を上げるための戦略を考えるのに時間がかかってしまいます。 経営を始めると、自社の商品やサービスを明確化するための時間を確保できない可能性が高いです。 また、訴求する商品やサービスを明確化しておけば、競合他社との差別化も図りやすくなるため、経営を成功させられる可能性が高まります。 会社員の場合、辞めるタイミングを考えておく 会社を辞めて起業しようと考えている方は、起業する前に会社を辞めるタイミングも考えておく必要があります。また会社を辞めるときにトラブルになると、のちの起業に影響がでる場合もあります。トラブルなく会社を辞めるためには、あらかじめ就業規則を確認しておくことが大切です。 特に「いつまでに退職の申し出をしなければならないのか」「退職金規定はどうなっているのか」「有給休暇についてはどうか」などについては必ず確認しておきましょう。 関連記事:副業しているサラリーマンの起業はあり?在籍中に会社設立するメリットやリスクを解説 起業や独立に必ず必要なものは? 起業や独立でやることを明確にしましたが、必要な書類やものがあります。 起業や独立に必ず必要なものは次の3つです。 ・開業届や法人設立届出書などの書類 ・名刺やホームページ ・クレジットカード 開業届や法人設立届出書などの書類 起業や独立に必ず必要なものは、開業届や法人設立届出書などの書類です。必要な提出書類を出し忘れてしまうと、メリットを受けられずに自分自身が損をしてしまうこともあるため注意しましょう。 個人事業主が必要な提出書類の中には、提出しなくても罰則を受けないものが多いです。 しかし、法人設立の場合には提出しないと「そもそも会社設立ができない」こともあるため注意しましょう。 名刺やホームページ 起業や独立に必ず必要なものとして、名刺やホームページが挙げられます。名刺やホームページは、起業や独立したのに作成しないからといって、特に罰則があるわけではありません。しかし、名刺やホームページがなければ、取引先や顧客などが自社について理解できないため仕事を獲得できない可能性があります。名刺やホームページが会社の顔となるため、作成しておきましょう。 また、名刺やホームページの作成にはお金がかかるため、XやInstagramなどのSNSやブログで情報を発信していくのも効果的です。SNSやブログで成果が出れば、広告塔としても使用できるため活用してみましょう。 クレジットカード クレジットカードは、起業や独立の前に必ず作成しておきましょう。起業や独立をすると、一定期間は収入が不安定となるため、正社員の時のようにクレジットカードの審査に通りづらくなってしまいます。クレジットカード以外にも、住宅ローン審査や賃貸契約などの審査が必要な手続きは、起業前に行なっておくことが大切です。法人の場合は法人カードを作成します。 個人事業主として独立した場合には、プライベートのクレジットカードを使用しても問題ありません。しかし、プライベートのクレジットカードを使用してしまうと、プライベートと仕事の支出が混ざってしまうため管理が手間になります。 起業の際によくある質問5つ! ここでは、起業するときによくある質問を5つ紹介します。 ・起業するには、何から始めればいい? ・会社設立に必要な手続きとは? ・準備の費用は経費になる? ・失業保険をもらいながら起業準備はできる? 起業するには、何から始めればいい? まず、自分がなぜ起業したいのか、その目的や理由をしっかり考えておくことが大切です。理由がなければ人はモチベーションを保てません。起業の目的や理由が定まったら事業計画を立て、自分が始めたいビジネスに合った起業方法を選択し、必要な手続きを進めましょう。そして起業するための資金を確保し、会社設立・開業の手続きと資金の準備が完了したら、事業計画を実行に移していくことになります。 会社設立には必要書類の作成や申請、認証などの手続きが必要となります。また、会社を設立する場合、起業資金とは別に設立手続きのための費用がかかります。株式会社か合同会社かによっても設立費用は異なるため、会社形態に合った設立費用をチェックして用意しておきましょう。 関連記事:会社設立は自分でする?専門家に依頼?費用と手続きについて解説 起業準備の費用は経費になる? 起業準備のための経費は開業費といって、収入から控除できます。開業費は、名刺作成費や会社案内作成費、開業までの事務所家賃などさまざまな経費が開業費に該当します。 開業前なので売り上げは立っていませんが、開業準備にあてる費用になるため、領収書は必ず取っておいて開業のための経費ということを証明できるようにしましょう。 失業保険をもらいながら起業準備はできる? 求職活動を行いながら起業準備をする場合は失業保険をもらえます。失業保険はこれから新しい就職先を見つけて働こうとしている人に対して支給されるものです。失業状態にあったり、雇用保険の被保険者期間が退職日以前2年間で12か月以上あることなど、さまざまな受給資格があります。求職活動をしない場合や起業準備が整って起業した場合は、失業保険はもらえません。 起業のお悩みは、プロゲートにお任せ! 今回は、起業準備でやることをリスト化する理由、起業するまでの流れなどをまとめました。起業をするのは一朝一夕ではできません。さまざまな状況に応じた方法を理解して、必要に応じて顧問税理士に相談しましょう。 税理士法人プロゲートでは、宮城県仙台市を中心に会社設立をサポートしております。これまでに200件以上の設立実績がありますので、会社設立に関連するお悩みがあればお気軽にご相談ください。経験豊富な税理士が、お客様の状況に合わせた最適なアドバイスを提供いたします。
合同会社の代表社員を変更したい!手続きと必要書類を解説
合同会社を設立した後、何らかの理由で設立当初の代表社員が辞任して、別の人を代表社員に変更するケースがあります。合同会社の代表社員が変更されるときには、いくつかのパターンが存在し、それぞれに必要な手続きが異なります。 結論からいえば代表社員の変更と併せて誰が代表社員となるかで手続きが異なるため、それぞれの違いを理解していくことで、スムーズに進めることができます。 そこで今回の記事では、合同会社の代表社員の変更になるパターンと変更時の方法と必要になる書類について解説していきます。 合同会社は小規模法人に適している? まずはじめに、合同会社の概要について解説していきましょう。 合同会社とは、会社法に基づいて設置可能な会社形態の一つです。会社の代表例としては株式会社が挙げられますが、合同会社は株式会社と比べると経営の自由度が高いため、小規模な法人の経営を行う場合に適していると考えられています。ですが実際には、後述するように外資系の大手企業は合同会社の形態でビジネスを展開しています。 その理由は、アメリカの会社形態である「LLC(有限責任会社)」を参考にしており、2006年の会社法施行によって合同会社が設けられたからです。 アメリカの制度を参考にしていることから、特にアメリカに本社を持つ会社の日本法人は大手企業であっても合同会社を採用しており、大手インターネット広告会社や大手インターネットショッピング会社などが合同会社の形態でビジネスを行っています。 合同会社のもう一つの特徴として、株式会社が出資者と経営者が異なるケースがある一方で、合同会社は出資者と経営者が同一であるということが挙げられます。合同会社は株式会社のように株式を一定数保有すれば経営に参画できるわけではなく、原則として社員全員が業務執行権(株式会社の役員のような役割)や代表権を持つことが可能です。このように、合同会社は株式会社とは異なる形態であり、その企業運営は独特であるということを理解しておく必要があります。 合同会社の代表社員とは ここでは合同会社における「社員」と「代表社員」の存在について説明していきます。 合同会社における社員について 合同会社における社員は、多くの人がイメージする従業員としての「社員」ではありません。合同会社においては、その会社に出資して持分を取得した人のことを「社員」といいます。 定款の規定で業務執行社員を定めた場合には、定款で定められた役職の人が業務執行権を有することになります。 合同会社を代表して経営を行うのが代表社員 合同会社の代表社員は株式会社における代表取締役に相当する役職です。つまり、一般的な認識でいえば「社長」と理解していただいて構いません。 代表社員は合同会社における代表権を有しており、会社の経営を担うことができます。また、他の社員と同じように合同会社に対して出資しています。したがって、代表社員は労働者としては扱われないため、株式会社での役員と同じように労務管理の対象ではなく、労災保険や雇用保険といった労働者のための労働保険についても対象外です。 代表社員が選任された場合には、氏名と住所が登記簿に記載されます。株式会社と異なるのは、合同会社の業務執行社員はそれぞれ、会社を代表する権限を有するのが原則とされていることです。ですから、あえて代表社員を一人に定めないことも可能です。この場合には、それぞれの業務執行社員が会社を代表することになるのが大きな特徴といえるでしょう。 代表社員と代表取締役との違い 合同会社と株式会社の違いはいくつかありますが、株式会社は、所有と経営が分かれており、取締役会に所属する代表取締役や他の取締役は、会社の所有者である株主から経営を委任されている立場なので、代表取締役や取締役が会社に出資をしていないケースもあります。一方で、合同会社に社員として参画するためには、出資しなければ社員にはなれません。 合同会社における代表社員の変更について 合同会社の代表社員を変更する場合、退任する代表社員の辞任届や、新たに代表社員に就任する社員の就任承諾書を作成する必要があります。併せて、代表社員変更に関する定款変更や社員同意などの社内の手続きを経て代表社員が変更されます。また、変更後2週間以内に法務局で変更登記が必要となります。 社員は会社の所有者でもある 株式会社は会社の所有者である株主が、株主総会で取締役を選任し、取締役に会社の経営を委任するので、会社の所有と経営が分離されます。一方で、合同会社は会社の所有と経営が一体化します。合同会社の社員になろうとする場合には出資等により会社の持分を取得する必要がありますが、会社の持分を取得した社員は、同時に会社の業務を執行する権限を有するのが原則とされています。 合同会社の代表社員を変更する方法 合同会社で代表社員を変更する場合、大きく2つの方法があります。それぞれの方法について紹介していきます。 代表社員が退任し、他の業務執行社員が代表社員になる 手続きの面で最も簡易的に行える方法は、代表社員が退任し、他の業務執行社員が入れ替わりで代表社員に就任するケースです。この場合、代表社員の変更登記のみを行えば済むので、手続きとしては比較的シンプルです。元の代表社員は退任後は引き続き業務執行社員として業務に携わることになります。 代表社員の退任と同時に新たに入社した業務執行社員が代表社員に就任する 代表社員が退任するタイミングで外部から代表社員となる人材を採用した場合には、代表社員の退任に関する手続きと、社員の入社に関する手続き、そして代表社員の変更の手続きが必要です。このように、代表社員の代わりとなる人材が社内にいるのか、それとも外部から招くのかで手続きが異なる点に注意しておきましょう。 合同会社の代表社員を変更する流れ ここでは、代表社員を変更する場合の手続きをプロセスごとに紹介していきましょう。 ①新たな代表社員を選定する まずはじめに、新たな代表社員を選定します。新たな代表社員を決めるときには全社員の同意を得るか、業務執行社員の互選によって決めるという2つの方法があります。どちらの方法を採用するかは、合同会社の定款によって決められます。外部から人材を採用して代表社員に就任してもらう場合には、その社員の入社手続きと変更登記が完了してから総会を開催する必要があります。 ②社員総会で定款変更を承認する 新たな代表社員が決定したら、選定の次は定款の変更を行います。定款とは、会社のルールを定める書類のことです。定款は会社の形態に関わらず設立時に必ず作成する書類ですので設立前の段階で定款をしっかり作っておけば、会社設立後に社員同士のトラブルが起きにくくなるなど、組織として統率が取りやすくなるでしょう。 定款を変更する場合には、どの部分を変更するのかを明示した定款変更案を作成し、社員総会での審議可決が必要です。 ③代表社員の変更に必要な書類を揃える 代表社員を変更する場合に必要な書類は7種類です。以下の書類を作成し、法務局に提出するため、事前に内容を確認して間違いのないように準備しましょう。 合同会社変更登記申請書 全社員の同意書もしくは業務執行社員の互選書 就任承諾書 定款 印鑑届書 新代表社員の印鑑証明書 退社の事実を証する書類 ④変更登記を行う 定款を変更してから2週間以内に法務局にて変更登記を行います。変更登記の際は、先ほどご紹介した書類と、社員総会で定款変更が承認されたことを証明する議事録の提出、登録免許税(印紙代)の支払いが必要になります。 変更登記を行わないと法的には代表社員が変更されたとは認められず、銀行口座や賃貸している不動産の名義変更等の手続きが行えないなど、様々なトラブルの原因になります。定款の変更が終わったら、忘れてしまわないように早急に変更登記を行いましょう。 登記申請にかかる費用 登記申請に必要となる費用として、登録免許税が挙げられます。合同会社の代表社員を変更する場合の登録免許税額は、申請1件につき1万円で、資本金が1億円を超える合同会社は3万円とされています。また、登記申請の手続きを司法書士に依頼する場合は、司法書士に対して支払う報酬も必要になります。 登記変更のご相談はお任せください 今回は、合同会社の代表社員を変更する際の合同会社の手続きについてまとめました。 代表社員を変更する際には、退任する代表社員の辞任届と新代表社員の就任承諾書が必要になります。その上で、代表社員変更に伴う定款変更や社員総会での承認など、社内手続きを経た後、法務局で変更登記を行う必要があります。 代表社員を変更する場合は現職の代表社員が退任し、すでに社員として活動している業務執行社員が代表に就任する場合と、代表が退任すると同時に新規入社者が代表に就任する場合の2パターンがあります。 代表社員の変更登記には様々なプロセスと手続き、書類作成が必要となり、どこかのプロセスを間違えて進めると変更登記は完了しません。ですから、司法書士などの専門家に依頼し、確実に変更登記を完了させる必要があります。 税理士法人プロゲートでは、司法書士とも提携しておりますので合同会社の代表社員の変更にも対応しております。下記よりメールにてお気軽にご相談ください。 関連記事:会社設立は自分でする?専門家に依頼?費用と手続きについて解説 関連記事:合同会社から株式会社に組織変更するには?費用や手順を紹介! 関連記事:合同会社の設立には、代表社員が2名でも大丈夫?
青色申告の個人事業主がパソコンを経費計上する時の勘定科目や仕訳例を解説
ビジネスによっては高額なパソコンを購入する必要がありますが、それは経費としてどのように計上すれば良いでしょうか。 今回の記事では、青色申告をしている個人事業主がパソコンを経費で計上する場合の考え方や勘定科目、仕訳例について解説していきます。 個人事業主の青色申告とは? 開業している個人事業主は、青色申告か白色申告のいずれかの方法で確定申告を行うことになります。青色申告とは、個人事業者が正規の帳簿を備え、一定の要件を満たした上で確定申告を行うことを指します。 個人事業主が青色申告をするメリット 青色申告には以下のようなメリットが挙げられます。 1、 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる 青色申告最大のメリットは、「青色申告特別控除」が受けられることです。単式簿記の場合は10万円、複式簿記で決算書を作成し、指定された方法で申告を行うことで最大65万円の控除があるため、大きな節税効果を得ることができます。 2、赤字を最大3年間控除できる 青色申告を行うと、今期の赤字を次年度以降の所得から差し引ける制度があります(個人事業主は最長3年、法人は最長10年)。これを「青色申告の繰越控除」といいます。 白色申告の場合は今期が赤字でも、次の期が黒字なら税金の支払いが必要です。青色申告を行うと、次年度の黒字から今期の赤字を差し引き、税金を軽減できます。これが青色申告の繰越控除です。 例えば、1年目が300万円の赤字で、2~4年目がそれぞれ100万円の黒字なら、2~4年目の所得税は免除されます。特に個人事業主として事業開始当初は黒字を出しにくいため、将来的に黒字になったタイミングで節税の恩恵を得ることができます。 3、30万円未満の資産を一括で経費計上できる 業務で購入したパソコンや機材などの資産は、取得価額が10万円未満ならその年の経費として計上されます。しかし、10万円以上なら「減価償却資産」として、数年にわたって経費に計上しなければなりません。 ただし、青色申告を行う事業主は、30万円未満の少額減価償却資産を一括して経費計上できます。利益の多い年に30万円未満の資産を購入すれば、経費計上できるので税負担を軽減できます。ただし、上限は合計300万円までです。 青色申告特別控除を受けるための条件 青色申告特別控除には3つの種類があります。控除額は65万円、55万円、10万円です。控除額は帳簿の種類や記帳方法、申告方法によって変わります。 65万円の控除を受ける条件は以下の一覧の通りです。 事業所得または事業的規模の不動産所得がある。 複式簿記で記帳している。 貸借対照表と損益計算書を提出している。 期限内に青色申告を行っている。 現金主義の所得計算の特例を選択していない。 e-Taxで確定申告を行うか、優良な電子帳簿保存法に準拠して保存している。 この条件を全て満たすと65万円の控除が受けられますが、e-Taxや電子帳簿保存を行っていない場合の控除額は55万円です。 10万円の控除は、65万円または55万円の条件を満たさない場合に適用されます。青色申告特別控除の対象は、事業所得または事業的規模の不動産所得がある方です。ただし、10万円の控除の場合は、事業的規模ではない不動産所得や山林所得も対象となります。 青色申告特別控除を受けるためには「仕訳帳」と「総勘定元帳」が必要 「仕訳帳」とは 仕訳帳は、日々の取引を発生順に記録する帳簿です。1つの取引を借方と貸方の2つに分けて記載し、それをまとめたものが仕訳帳です。仕訳帳は、総勘定元帳の作成において重要な帳簿です。 「総勘定元帳」とは 総勘定元帳は、勘定科目ごとに取引内容を日付順に記録した帳簿です。仕訳帳の内容をそれぞれの勘定科目に転記します。手書きの場合、取引が発生するたびに転記する必要がありますが、会計ソフトを使用している場合は、仕訳帳の内容を元に自動的に作成されます。 青色申告の方がパソコンを経費計上する方法 事業用にパソコンを購入したときの仕訳には、さまざまなパターンがあります。まず最初に確認しておきたいのは、パソコンの購入金額についてです。購入金額が一定の金額以上になるかどうかで、資産になるか、あるいは当期の費用になるかが異なってきます。 さらに、購入形態にも注意が必要です。現金一括で購入する以外にも、クレジットカードを利用して分割支払いで購入するパターンや、購入せずにリースを利用することも考えられます。クレジットカードやリースでパソコンを取得した場合、勘定科目も変わってきます。それぞれの経費計上方法について解説していきましょう。 取得価格は税抜か、それとも税込か 消費税の扱いは個々の会計方式により異なります。税込み方式では消費税を含めた金額、税抜き方式では消費税を含まない金額で計算されます。 取得価額別の処理方法 ・10万円未満の場合 取得価格が10万円未満であり、使用可能期間が1年未満の場合、経費処理が可能です。 ・10万円以上20万円未満の場合 取得価格が10万円を超える場合、資産計上が必要です。20万円未満の場合は、一括償却資産処理、少額減価償却資産の特例処理、または通常の減価償却処理のいずれかを行います。 ・20万円以上30万円未満の場合 同様に、取得価格が10万円を超えるため資産計上が必要です。その後、少額減価償却資産の特例処理、または通常の減価償却処理を行います。 ・30万円以上の場合 資産計上を行い、通常の減価償却処理を行います。 ※少額減価償却資産の特例処理は、青色申告の法人と個人事業主であることが条件です。 PCの取得金額が10万円未満の場合の計上 10万円未満のパソコンは、一括して経費計上できます。10万円未満か否かの判断は、税込経理をおこなっている課税事業者と免税事業者であれば税込で判断し、税抜経理をおこなっている課税事業者は税抜で判断します。10万円未満のパソコンを経費計上する場合には「消耗品費」として仕訳をするのが一般的です。 パソコンの取得価格が10万円未満の場合の仕訳方法 パソコンの取得価格が10万円未満の場合、全額を一括して「消耗品費」として計上されます。以下に、現金およびクレジットカードでの購入の仕訳例を示します。 現金での購入の場合 借方 貸方 消耗品費 80,000円 現金 80,000円 クレジットカードでの購入の場合 1、購入時の仕訳 借方 貸方 消耗品費 80,000円 未払金 80,000円 2、クレジットカード支払時の仕訳 借方 貸方 消耗品費 80,000円 預金 80,000円 パソコンの購入金額が10万円以上20万円未満の経費計上方法 10万円以上20万円未満のパソコンの経費計上には3つの方法があります。順に解説していきましょう。先ほどと同様に、10万円以上20万円未満か否かは、税込経理をおこなっている課税事業者と免税事業者であれば税込で判断し、税抜経理をおこなっている課税事業者は税抜で判断します。 1、パソコンを耐用年数で減価償却する 耐用年数とは、固定資産の使用可能な期間を指します。多くの場合、パソコンの耐用年数は4年とされています。この場合、耐用年数に応じて価額を分割して減価償却を行います。償却費用は勘定科目「備品」または「工具器具備品」で処理されます。 具体的な計算方法は、以下の通りです。 購入価格 × 償却率 × (使用月数 / 12) 例えば、15万円のパソコンを購入した場合、1年目の償却費用は以下のように計算されます。 1年目:15万円 × 0.25 × (12ヶ月 / 12=1) = 37,500円 このように、購入月によって償却期間を算出し、それに応じて償却費用を計算します。1年目から5年目までの償却費用を計上し、仕訳の際には「減価償却費」として記録します。 2、パソコンを一括償却資産として経費計上する パソコンの購入金額が10万円以上20万円未満の場合、一括償却資産で処理できます。資産は耐用年数に基づき減価償却していきますが、一括償却資産は本来の耐用年数にかかわらず、3年にわたって1年あたりに3分の1ずつ減価償却をすることが認められます。 個人事業主の場合でも、10万円以上20万円未満のパソコンは一括償却資産として取り扱うことができます。通常4年かかる償却期間を3年に短縮することができるので、早期償却したい場合におすすめの方法です。 この方法では、1年あたりの償却費用が通常より多くなるため、年度ごとに経費として計上する額が増えます。また、一括償却資産として処理する場合は、償却資産税の対象外となる利点もあります。さらに、月割計算の手続きも不要です。購入時期に関わらず、その年度に3等分の費用を計上できます。 例えば、15万円のパソコンを現金で購入した場合、1年あたり5万円を3年間で処理します。仕訳の例は以下の通りです。 借方 貸方 一括償却資産 150,000円 現金 150,000円 個人事業主の場合、この経理処理に加えて、収支内訳書や青色申告決算書に必要事項を記入する必要があります。 3、青色申告の個人事業主なら少額減価償却資産の特例が利用可能 少額減価償却資産の特例は、取得価額が30万円未満の減価償却資産を取得した場合に適用され、費用を一括で経費に計上できる制度です。これまでと同様に30万円未満か否かは、税込経理をおこなっている課税事業者と免税事業者であれば税込で判断し、税抜経理をおこなっている課税事業者は税抜で判断します。 また、この特例は期間限定の制度であり、2年ごとに延長されています。現在は2026年3月31日までに取得し、使用を始めた資産が対象となります。 少額減価償却資産の特例が利用できる対象者 少額減価償却資産の特例は青色申告の特典ですので、青色申告の法人と個人事業主であることが条件です。具体的には、以下の条件を満たす事業者が対象となります。 常時使用する従業員数が500人以下 適用を受けたい事業年度の平均所得金額(前3事業年度の所得金額の平均)が年15億円以下 資本金または出資金の額が1億円以下であり、通算法人でない 資本金または出資金の額が1億円を超える法人やその100%子会社から、2分の1以上の出資を受ける法人ではない パソコンの購入金額が30万円以上の場合の経費計上方法 取得価額が30万円を超えるパソコンについては、資産の勘定科目である「工具器具備品」として計上する必要があります。30万円以上の資産については、「少額減価償却資産」などの特例措置は適用されません。 従って、そのパソコンの法定耐用年数に従い、定率法または定額法のいずれかの減価償却方法を選択し、経年による価値の減少分を適切に費用計上していく必要があります。定率法と定額法のどちらを採用するかは、事業主の判断に委ねられています。 取得時に「工具器具備品」勘定を借方記入し、減価償却費の計上に伴い同勘定の貸方に転記する会計処理が必要です。減価償却の仕訳は毎期継続的に行う必要があり、最終的にはパソコンの帳簿価額がゼロになるまで続けます。 このように、30万円を超える高額なパソコンの場合は資産計上が原則となり、定められた耐用年数に応じた適正な減価償却処理を行いましょう。 パソコン周辺機器の経費計上方法 ノートパソコンであれば、本体とモニター、キーボードが一体となっていますが、デスクトップパソコンを購入する際には、別途モニターを購入したり、その他の付属品を購入する必要がある場合もあります。 このような場合、減価償却の対象であるかどうかや、取得価額の範囲はどうかが気になる場合もあります。基本的には、本体と合わせてモニターやキーボードが一体として機能するかどうかによって資産かどうかが判断されます。 例えば、モニター、キーボード、ハードディスクを別々に購入した場合でも、それらを一体として使用することを前提としている場合、それらの合計額を取得価額として扱います。しかし、パソコンを5台購入した場合は、それぞれが単独で機能するため、1台ずつに分けて取得価額を考えます。 また、既にパソコンが1台ある状態でモニターを別途購入した場合は、モニターを別の資産として考えることもできます。これは、すでに機能しているパソコンにモニターを追加するだけであり、モニターが単独で機能する資産と見なすからです。 外部ストレージやケースなども個別の資産として扱うことができます。 なお、パソコンの運送料や購入手数料は付随費用として考えられ、これらは取得価額に含める必要がありますので、注意が必要です。また、取得価額に消費税を含めるかどうかも重要なポイントです。税抜経理方式を採用している場合は、取得価額に含めませんが、税込経理方式の場合は含める必要があります。 パソコンをリースする場合の経費計上方法 最後に、パソコンを購入ではなくリースによって取得する場合の経費計上方法を解説していきます。パソコンのリースに伴う経費処理は、リース期間や契約の内容に応じて3つのケースが考えられます。それぞれ解説していきます。 所有権移転ファイナンス・リース取引の経費処理 所有権移転ファイナンス・リース取引は、通常の購入と同様の売買処理が行われます。このリースはリース期間中に解約できず、フルペイアウトが必要な取引を指します。期間終了後にはリース資産の所有権が借手に移ります。例えば40万円のパソコンをリースした場合の仕訳は以下の通りです。 借方 貸方 リース資産 400,000円 リース債務 400,000円 摘要:ノートパソコン 所有権移転外ファイナンス・リース取引の経費処理 所有権移転外ファイナンス・リース取引も、購入時の処理は基本的に所有権移転ファイナンス・リース取引と同様ですが、減価償却費の計算方法が異なり、「リース期間定額法」によって計算されます。所有権が移転しないため、減価償却費はリース期間に応じて計算されます。 オペレーティング・リース取引の経費処理 オペレーティング・リース取引は「リース料」として経費処理されます。口座からリース料が引き落とされた場合の仕訳は以下の通りです。 借方 貸方 リース資産 400,000円 リース債務 400,000円 摘要:リース料の支払い 個人事業主がパソコンをリースした場合は、所有権移転ファイナンス・リース取引が売買処理、オペレーティング・リース取引が賃貸借処理となります。ただし、仕事用とプライベート用の併用時は、家事按分が必要で、購入することに比べるとメリットばかりではなくデメリットや手間があることも意識しておきましょう。 適切な仕訳処理を把握しよう 個人事業主がパソコンを経費計上する際の勘定科目と仕訳方法は、パソコンの取得金額によって異なります。 10万円未満の場合は全額を当期の経費(雑費や消耗品費等)に計上します。10万円以上20万円未満では、原則的に資産の備品勘定で計上し減価償却します。一括償却資産扱いも可能で、この場合は3年で全額償却します。また青色申告の中小企業や個人事業主は少額減価償却制度を活用し全額即時償却することもできます。 30万円未満の場合も同様に、原則は資産計上と減価償却ですが、青色申告の中小企業や個人事業主であれば少額減価償却資産の特例で全額即時償却が認められています。また、クレジットカード支払いやリースなど分割払いをしている場合には異なる仕訳が必要になります。 このように、パソコン購入時の経費計上は金額によって方法が変わるため、適切な勘定科目と仕訳処理を把握する必要があります。また制度の適用要件を把握するなどの注意点があります。適切に経費計上をしなければ税務調査の際に問題になる可能性があるため、税理士に依頼し、正しく経費計上を行うのが安全で確実です。 税理士法人プロゲートでは、個人の青色申告や経費計上に関するアドバイス、領収証の仕訳などの実務にも対応しております。まずはお気軽にご相談ください。 関連記事:経費はレシートでもいい?手書き領収書との違いや活用するメリットなど詳しく解説! 関連記事:経費計上のタイミングはいつがベスト?考え方を解説 関連記事:個人事業主の融資はいくらまで受けられるのか?
会社設立は税理士に相談すべき?費用や相談するメリットなどを紹介!
「会社設立の際、税理士が必要?」と疑問に思う方は多いはずです。 この記事では、税理士に依頼する場合の費用やメリットを解説いたします。 これから法人化を検討されている方の参考になればと思いますので、ぜひ最後までお読みください。 会社を設立するのに税理士は必要? 結論、会社設立に税理士は必ず必要という訳ではございません。しかし、税理士に依頼することで得られるメリットがあるのも事実です。 具体的なメリットはこのあと紹介しますが、設立時点で相談することで、設立後の業務を円滑に行うことにも繋がります。 関連記事:仙台市|会社設立をするなら専門家に依頼するべき?失敗しない方法や創業サポートについて 関連記事:会社設立は自分でする?専門家に依頼?費用と手続きについて解説 司法書士の相場は2~5万円 ※税理士は会社設立できません。司法書士法違反になります。 まず、会社を設立するときの費用は、株式会社と合同会社で変わってきます。株式会社の設立にかかる費用は約245,800円~。合同会社の設立にかかる費用は約103,500円~になります。※書類定款認証の場合。 株式会社 合同会社 定款認証手数料 約5万円(紙、電子同一)※資本金によって異なる。 - 定款印紙代 4万円(紙)※電子定款の場合0円 4万円(紙)※電子定款の場合0円 定款の謄本手数料 約2,000円(紙、電子同一) - 登録免許税 15万円~(※資本金額×0.7%、または15万円のどちらか高い方) 6万円~(※資本金額×0.7%、または6万円のどちらか高い方) 実印の作成費 約3,000円~ 約3,000円~ 印鑑証明書 300円×枚数 - 登記事項証明書 500円×枚数 500円×枚数 資本金 1円~ 1円~ 専門家への費用 約2~5万円 約2~5万円 内訳は「定款認証手数料」「定款印紙代」「定款の謄本手数料」「登録免許税」「実印の作成費」「印鑑証明書」「登記事項証明書」「資本金」に分けられ、加えて司法書士などの専門家に依頼すると手数料が必要になります。 定款印紙代は、作成した定款を公証人役場で認証してもらう際に定款に貼りつける印紙代のことで、定款認証の手続きの時に発生します。株式会社も合同会社も4万円かかりますが、ICカードリーダーによる電子認証が可能で、会社設立にともなう法定費用の中で唯一コストを抑えられる部分です。予算が限られている場合は、電子認証に対応している専門家を選びましょう。 定款認証手数料は、作成した定款を役所で認証してもらう際にかかる手数料です。株式会社は資本金の額によって3万円〜5万円と変動しますが、合同会社は定款認証手数料はかかりません。 登録免許税は、法人登記に対して課税される税金で、設立時の資本金の0.7%を基本に最低金額が定められています。 株式会社の場合は資本金×0.7%の金額が15万円に満たなければ登録免許税は最低15万円、合同会社は6万円に満たなければ最低6万円です。しかし、株式会社も合同会社も基準を超えると超えた金額を請求されるので注意が必要です。 その他費用は、他に実印作成代や登記事項証明書、印鑑証明書などそれぞれに手数料がかかります。 手数料は、司法書士のような専門家に依頼する場合に発生します。専門家によって異なりますが、一般的には2〜5万円前後が相場です。 税理士に依頼する4つのメリット ここでは、会社設立を税理士に依頼するメリットを4つ紹介します。 それぞれ、順にみていきましょう。 決算月や役員報酬の決め方のアドバイスがもらえる まず、税理士に相談するメリットは決算月や役員報酬の決め方のアドバイスがもらえることです。決算月は、設立から1年以内であれば自由に決められますが、本業の繁忙期や決算業務が重なってしまうと本業を圧迫してしまいます。 また、役員報酬にも税法上の決め方のルールがあります。決算月や役員報酬などの決め事の際にも会社設立時から税理士に相談しておけば、その都度アドバイスがもらえるため安心です。 記帳業務を外部委託でき、本業に集中できる 会社設立直後は、事務的な手続きがたくさんあります。例えば、会社の銀行口座の開設、各種届出の作成や提出、役員報酬や従業員給与の計算など、本業以外のタスクがあります。 特に記帳業務は、通帳やクレジットカードの利用確認、領収書の整理をした後に会計ソフトに日々入力しなければなりません。毎日本業が終わった後に行うとすると、慣れていない方にとってはストレスがかかります。 経理担当者を雇う場合もありますがアルバイトでも月額10万円かかるので中々雇おうとは思いません。記帳代行を請け負う税理士事務所の税理士を顧問につけることで、正しい会計処理の方法を指導してもらえたりコスト削減になったりします。 しかし、税理士の中には顧問契約の範囲に記帳代行を含めない場合もあるため注意してください。 資金繰りの相談ができる 融資などの資金繰りのサポートをしてくれることも大きなメリットです。 起業したての会社にとって、融資はとても重要なものです。内容としては、最大で200万円の補助金を受けられる小規模事業者持続化補助金や、創業時にのみ利用できる創業融資があります。 融資に必要な書類作成のサポートをしたり、個人では中々見つけにくい補助金や助成金の活用についても提案してくれる場合もあります。 税務署に関する書類のアドバイスや連絡の代行をしてもらえる 他にも税務に関するアドバイスや提出代行もメリットの1つです。違法な申告漏れが発覚すると、追徴課税されるだけでなく自社の信頼性も失ってしまいます。 税理士と顧問契約をした場合、多くの税理士事務所は追加料金なしで税務に関する届出書の作成と提出を行ってくれます。税理士が行うことで提出漏れを防げるほか、慣れない書類作成に労力や時間をかけずに済みます。 また、税務署から法人設立届出の連絡先に記載された電話番号に電話がかかってくることもあります。 税務代理権限証書という届出書に税理士事務所の名前や連絡先を記載して税務署に提出することで、原則として会社ではなく税理士事務所に電話が行くようになるので社長のもとに突然電話がくることもありません。また、最近では税務署を装って税金が未納なことを伝えて指定の振込先に振り込ませる詐欺がおこっています。税理士を顧問につけて、何が起こっても「税金関係はすべて税理士に確認します」というサイクルを取れば、安心できます。 設立前に税理士に相談すべき理由 会社設立を税理士に相談することは必須事項ではありませんが、多くの経営者が設立前から税理士に相談しています。ここでは会社設立時に税理士に相談すべき理由を紹介していきましょう。 会社設立前に税理士に相談する理由は主に3つあります。 その他専門家も紹介してもらえる 会社設立の手続きに関する専門家には税理士の他に、司法書士や行政書士、社会保険労務士がいますが、それぞれの士業には専門分野があるためできることとできないことが決まっています。 税理士は、司法書士や行政書士、社会保険労務士など各専門家と提携しているケースが多いです。 例えば、法務局への登記申請は司法書士、公証役場での定款の認証は司法書士や行政書士が代行できます。社会保険労務士は、健康保険や厚生年金保険といった社会保険関係の手続きなどを代行できます。特に会社設立時から社員を雇用する場合は、自分で創業に関する手続きや営業、商品開発などを行いながら複雑な社会保険関連の手続きや日々の給与計算や労務管理を行うのは現実的ではありませんし、経営者として本業に邁進するためには他の士業との連携は欠かせません。 税理士は会社設立時の税務関係の届出を代行でき、税理士に顧問契約を依頼することで提携する各士業と連携して、会社設立の手続きの全てを代行してもらえます。創業直後の大事な時期を有効に使うためにも、税理士に相談してアウトソースできる業務は他の士業の専門家に依頼して進めていきましょう。 事業開始直後から経理・会計処理や税務処理を依頼できる 会社を経営する上で経理や会計業務は欠かせません。特に会社を設立したばかりの時期は、経営者自身が会計業務を行うことが多く、慣れない帳簿付けや管理に苦労するケースが多いです。よく分からないままなんとなく帳簿付けを行い、決算申告の時に慌てて相談にくる方もいらっしゃいます。 会社設立前に税理士に相談・依頼できていればこのようなことにはなりません。 また、法人の決算申告は個人の確定申告に比べて複雑なため、専門的な知識がないと作成は難しく、消費税の確定申告も厳格な経営処理が求められ、計算方法も非常に複雑です。決算申告や消費税申告書などの作成と提出を代行してもらえるのは大きなメリットになります。 創業時の資金調達に関するアドバイスを受けられる 会社設立の段階で多くの経営者が直面する悩みが資金調達です。 会社を設立すると様々な費用がかかるため、その費用をどう調達するかによって会社の成長速度が変わります。また、創業時にのみ利用できる融資制度もあり、それらを教えてもらえることは会社設立前に税理士に相談するべき大きな理由になるでしょう。また、税理士から金融機関を紹介してもらえる場合も多く、融資実行率も高くなります。 関連記事:起業家必見!日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の必要書類を紹介 関連記事:自己資金なしでも創業融資は受けられる?注意点を解説 税理士に依頼する場合のデメリット これまで、会社設立を税理士に依頼する場合のメリットについて紹介してきましたが、デメリットがないわけではありません。そこで、どのようなデメリットがあるかを紹介していきましょう。 顧問契約が必須の場合がある 「会社設立手数料0円」という広告を見ることも多いと思いますが、その条件としてその後の顧問契約を必須にしている場合も多いです。 税理士の顧問契約料は、税理士事務所の規模や提供するサービス内容によって異なりますが、起業初期はどうしても負担になります。経費の増加など予算を考慮し、見積もりを比較することが重要です。 税理士と相性が合わないときがある また税理士との相性は、会社の運営において重要な要素です。税理士は経理・税務面でのアドバイザーとして長期間にわたって協力するケースが多いため、信頼関係とコミュニケーションの円滑さが求められます。 初めての税理士の場合、相性があわないこともあるでしょう。コミュニケーションが取りづらい場合、円滑な業務進行が難しくなる可能性があるため、事前に面談を行い、相性を確認しましょう。 会社設立時に税理士に依頼する流れ 会社設立時に税理士に依頼する場合、どのような流れで依頼すれば良いでしょうか。ここでは税理士への依頼の流れを紹介していきます。 ①インターネットで検索してみる 顔を合わせられる税理士を希望するのであれば地元の税理士に依頼する方がいいですし、遠方であっても料金を優先するのであればそのような税理士を探す必要があります。どのような税理士に依頼するかは経営者の判断になりますが、どちらを選択するにしてもまずはインターネットで税理士を検索してみましょう。 ②問い合わせや無料相談で実際に話をしてみる 自分の考え方に合う事務所が見つかれば、問い合わせフォームからの問い合わせや無料相談などに応募してみましょう。最近は多くの事務所で無料相談を行っていることから、いま抱えている課題について相談してみて、納得できるアドバイスをくれる税理士事務所がないかを探していきます。本格的にサポートを依頼したいと思える事務所が見つかるまで、このステップを繰り返していきましょう。 ③税理士事務所と契約する 自社の課題に対して的確にアドバイスしてくれる事務所が見つかったら、契約に進みましょう。契約は案件ごとのスポット契約と、常時サポートを受けるための顧問契約のいずれかの方法で契約するのが一般的です。どちらを選択するかは経営判断です。「まだ付き合いが浅いのでもう少し関係性を築いてから顧問契約をしたい。」という場合や顧問契約をする余裕がまだない場合にはスポット契約を選択し、会社設立直後から税理士と二人三脚で会社を成長させたいと考える場合には顧問契約を選択しましょう。 良い税理士を選ぶ時のポイントは? 初めて税理士に依頼する場合、「自分に合う税理士をどうやって探せばいいのだろう」と不安になる方もいると思います。 ここでは、良い税理士を選ぶ際のポイントを紹介します。 良い税理士を選ぶ際のポイント 良い税理士を選ぶ際のポイントは次の3つです。 税理士の実績を見る 税理士業務を依頼する前には、相手が税理士資格を持っているかを確認しておきましょう。資格を確認する方法は、面談の際に税理士証票を見せてもらうか、日本税理士会連合会「税理士情報検索サイト 」で検索して確認することができます。また、税理士によって創業に強い税理士事務所もあれば、相続に強い税理士、公益法人や医療法人に強い税理士など、専門性にも種類があります。 そのため、会社設立の際に依頼するなら、会社設立支援の実績がある税理士を選ぶといいでしょう。 コミュニケーションとレスポンスの速さ 当然レスポンスは早いに越したことはありません。ビジネスにおける損失を防ぐには、税理士からのレスポンスの早さは重要なポイントです。 また、税理士事務所が会社に来てくれる訪問型の場合だと移動が電車や車を運転することが多いため、移動時間は電話を取れないときもあります。税理士と顧問契約を結ぶ前に、メールの返信や対応の早さを確認するようにしましょう。 最新の税制や税務調査に強いか 税金についてさまざまなことを定めている税法は毎年、改正が行われています。会社にとって有利な改正もあれば、不利な税制もあります。 また、会社を運営していく中で、税務調査が入る可能性もあります。税務調査とは、納税者が正しく税務申告を行っているかどうかを税務署が調査をすることです。税金を安くするために売り上げを隠して、利益を少なく計算する脱税については、争うこともありませんが、見解の違いにより会社サイドと税務署サイドが争う場合があります。 税務調査に強い税理士事務所が社長の代理として、税務署に対して適切な主張を行うことが重要となります。 税理士を選ぶ際は、税務調査に強いかどうかも確認しましょう。 仙台市で会社設立なら税理士法人プロゲート! 今回は、会社設立に税理士は必要なのか、設立にかかる費用などをまとめました。 税理士などの専門家は、会社経営をする上で、長期的に付き合っていくパートナーになります。「価格が安いから」といった安易な理由で選ばず、信頼できるパートナーか、今後の事業成長を支えてくれるかどうか考えて選定しましょう。 当社では、グループ内に税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人を擁しており、司法書士とも提携しておりますので、「会社設立」の手続きに対応しています。設立後の融資や税務全般にも精通している為、一貫して支援させていただいております。 法人及び個人事業主様の会計業務もサポートしておりますので、会社設立に関連するお悩みがあればお気軽にご相談ください。経験豊富な税理士が、お客様の状況に合わせた最適なアドバイスを提供いたします。 関連記事:日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の流れをプロセスごとに解説 関連記事:創業融資は個人事業主でも受けられる?おすすめの資金調達と融資の流れを解説 関連記事:会社設立時の「見せ金」はNG!正しい資本金の計上方法を解説 関連記事:合同会社から株式会社に組織変更するには?費用や変更手順を紹介! 関連記事:合同会社の設立には、代表社員が2名でも大丈夫? 関連記事:会社設立のときにかかる費用は経費にできるの?その流れや仕訳方法について解説
経費はレシートでもいい?領収書との違いや活用するメリットなどを解説
事業を行うえで発生した費用は、経費として処理されますが、経営者や個人事業主などの事業者だけでなく、多くのビジネスパーソンがその費用を立て替えた経験があるでしょう。多くの場合、経費だと証明するためには領収書が必要になり、領収書がないまま経費精算することは基本的に認められていません。 経費を立て替えた際に「領収書を貰い忘れてしまった」「レシートで代用したい」というケースもあると思います。 そこで今回の記事では、経費はレシートでも有効なのか、レシートと領収書の違い、そして領収書の代わりにレシートを活用するメリットとデメリットについて解説します。 この記事を読んで「レシートで代用できるなら活用したい」と思う方の参考になればと思いますので、ぜひ最後までお読みください。 経費精算はレシートでも可能です 経費精算には領収書が必須だと思われていますが、実際にはレシートでも経費精算は可能です。その理由は、支払い先や領収書が発行された日付や支払い金額が表記されていれば、領収書はもちろん、レシートも有効とされています。 領収書の本来の目的はお金を支払ったことの証明です。税法上において、領収書は「金銭や有価証券の受理を証明する書類」とされています。また、消費税法の関係する条文の中にある仕入れに係る消費税額の控除には、「事業者に交付する請求書、納付書やこれに類する書類」との記載があるため、必ずしも領収書である筆等はありません。領収書やレシートは「これに類する書類」に該当するので、法的には領収書もレシートも同等の効力を持つ書類という扱いになります。但しインボイス制度の導入後は、レシートや領収書という区別ではなく、インボイスとなる書類の保存が必要となります。 会社はなぜ領収書を活用するの? 同じ金額を証明するものであれば、領収書ではなくレシートで良いのではないかと思う方もいるでしょう。そこで、レシートと領収書の違いや会社が領収書を重視している理由、レシートや領収書を保存する期間を解説します。 レシートと領収書の違い レシートと領収書の最も大きな違いは、記載されている内容です。レシートには日付・商品名やサービスの品目・単価・支払い方法・発行者などが印字されます。一方の領収書にはレシートに印字される情報に加えて、購入者が誰なのかを表す「宛名」が記載されます。 一般的には領収書の方が正式なものというイメージを持つ人が多いですが、税務上は違いがありません。 会社がレシートより領収書を重視する理由 経理上は領収書でもレシートでも問題ありませんが、多くの会社では領収書の提出を重視します。その理由は、これまでのビジネス習慣の延長だからです。 レジから出力されるレシートは「感熱紙」という、熱を利用して印字する方法を採用しています。この方法だとインクの交換の必要がないため、スペースの限られたレジの印字方法として普及しました。 しかし、昔のレシートは感熱紙の性能が低かったため、レシートの文字は1年もすると消えてしまうので財務関係の保管資料として役に立ちませんでした。近年の感熱紙は性能が上がっており、消えにくくなっていますが、それでも「熱に当てると文字が読めなくなる」というリスクが完全に無くなったわけではありません。 一方の領収書は手書きやインクによる印刷で記入されるため、10年の保管にも対応できます。 このことから「レシートは文字が消えるから、財務書類として使えない」という認識を持つビジネスパーソンは、特に年齢が高いと一定数存在するため、「経費精算する場合はレシートを認めない」というルールがある会社は現在でも数多く存在します。 レシートと領収書の保存期間 法人の場合は会社の規模に関わらず、7年間保管する必要があります。特に領収書は取引を証明する書類といわれる証憑書類とされ、一定期間の保管が義務付けられているので、勝手に破棄できません。 7年間というのはレシートや領収書が発行されてからではなく、決算日の翌日から2か月後の法人税申告期限からです。 また、個人事業主の場合は青色申告の方だと法人と同様に7年間、白色申告の方は5年間、青色申告の方でも前々年の所得が300万円以下の場合は白色申告と同様に5年間となります。青色申告・白色申告いずれの場合も確定申告の期日を起点に保管しないといけないので注意しましょう。 過去の領収書を電子保存する場合は、事前に申告が必要 過去に作成した領収書は、電子帳簿保存法により紙で受領した領収書も電子化し、スキャナ保存できます。以前は事前に申請書を提出しなければ保存できず、スキャンできる期限も短かったため紙媒体での管理が一般的でした。しかし、近年は法改正によりスキャナ保存が認められ、電子データで保存するハードルが下がりました。 レシートは経理上有効なのか? 経理上は、領収書を使用してもレシートを使用しても問題ありません。消費税法では、経費精算に必要な証拠書類には以下の必要事項が定められています。 書類作成者の氏名または店名などの名称(店名) 取引年月日 取引内容 取引金額 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称(宛名) レシートは宛名はありませんが、店名・日付・品目・単価といった取引を証明するために必要な項目が印字されています。人の手による改ざんの可能性がないことから、宛名が「上様」と記載されている領収書や、詳細が「お品代」と記載されており、取引の内容が不明な領収書よりも、レシートの方が税務調査では疑われません。 領収書やレシートの保管方法 続いて、領収書やレシートの保管方法について解説していきましょう。 スクラップブックやコピー用紙に貼る 最初に、最もポピュラーなのは、のりで貼る方法です。これは、昔から経理の現場で行われてきた方法です。スクラップブックに貼ることが一般的ですが、個人的にはコピー用紙に貼ることをおすすめします。コピー用紙はスクラップブックと比べて、安価であること、常に事務所にあるページを追加・交換することができることなど、手軽さと自由度が高いのが特長です。 領収書やレシートは日付順に、まっすぐに、重ねないようにと、非常に細かい注意が払われがちですが、実際にはそこまで丁寧に貼る必要はありません。最低限、月ごとに分けていれば、少し歪んだり重なっていても問題ありません。 保管を効率化するポイント 領収書の数が増えると、従来の方法では追いつかなくなることがあります。そんなときは、以下の方法で工夫すると効果的です。 分類方法を工夫する 企業が大きくなると、月ごとの分類だけでは不十分な場合があります。レシートの量も増え、複数人で共有する機会も増えるからです。その際には、以下のような分類方法を考えてみてください。 支払い方法別(現金、クレジットカード、振込など) 従業員別(立替払い) 部門別 勘定科目別 取引先別 これらを参考に、会社の業態に応じて、わかりやすい分類方法を採用しましょう。 個人事業主の場合は、月ごとにざっくりと分けるだけで十分です。 入力→保管の順序を取る 一般的には、レシートや領収書を保管してから入力する方法が一般的ですが、オススメは逆に「入力→保管」の順序で対応することです。 「保管→入力」の順番で処理をすると、入力したかどうかの確認に手間がかかり、重複や抜けが生じやすいこと、また丁寧に貼らないと入力が難しいといったデメリットがあるうえに非効率的です。 その点、「入力→保管」の順序であれば、未保管のものは全て入力すれば良く、適当に貼っても問題ないがなく、保管したものは見直す必要がないなどのメリットがあるので効率的です。 この方法を採用すると、レシートが溜まらずに入力を行うようになります。また、入力するまで保管できないため、机がレシートで埋まる前に入力を済ませたくなります。 レシート活用時のメリットとデメリット 続いて、領収書の代わりにレシートを活用するときのメリットとデメリットを2つずつ紹介します。 レシートを活用する2つのメリット レシートを活用するメリットは次の2つです。それぞれの内容について紹介していきましょう。 買い物の内訳が詳細に分かる 最初のメリットは、レシートには買い物の内訳が表示されていることです。例えば、「11月22日にコピー用紙などの事務用品を現金で7,344円払った」と書かれていたとします。 領収書を発行した場合、基本的には金額のみが書かれています。ですから、その領収書を貰った取引でどんな買い物をしたか、細かい内訳がわからなくなってしまいます。一方、レシートは購入品目が詳しく書かれているので、買い物の内訳を把握するのは領収書よりもレシートの方が優れています。 日付や金額が正確 もう一つのメリットは、レシートに表示される日付や金額が正確なことです。手書きの領収書の場合、手書きなので日付が抜けていたり金額が間違っていたりという場合があります。不備があった場合、日付であれば訂正できますが、金額の間違いは訂正できません。 お店にもう一度行って訂正してもらうか、その領収書を経費に入れるのを諦めることになります。その分レシートは機械が読み込んでくれるので、間違いが手書きの領収書よりも遥かに少なくなります。 レシートを活用する2つのデメリット レシートを活用する上では、デメリットも把握しておく必要があります。レシートを活用する場合のデメリットは次の2つです。 宛名の記載がない 一つ目のデメリットは、レシートには宛名の記載がないことです。宛名がないということは、実際に誰がその買い物を行ったかをレシートだけを見ても分からないということになります。私用のレシートを事業の経費として計上して、税務調査で不正が発覚することは実際に起こっています。一切の不正がなかったとしても、本当に事業の経費として使ったのか判断しづらくなり、税務署から疑われるきっかけになりやすいです。 要件を満たさない領収書が発行されるリスクも 個人事業のお店では店名と代金しか書かれていない簡易的なレシートを用いている場合があります。例えば、店名と代金しか書かれていないと領収書の記載要件を満たしているとはいえないので、経費に計上できません。領収書を作成するのが会計に精通していない店員が作成した場合、「正しい領収書を作ってほしい」と頼んでも、その店員がそもそも正しい領収書の記載事項を知らないので、正しい領収書が発行されないリスクもあります。 レシートを使うときのチェックポイント ここでは、領収書の代わりにレシートを使うときにチェックすることを3つ紹介します。 記載内容をチェックする 領収書と同じようにレシートを証明書として使うには、次の8つが明記されているか確認しましょう。 取引年月日 支払金額 商品・サービスの明細 レシートの発行元 宛名 適格請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号 税率ごとに区分した消費税額等 税率ごとに区分して合計した対価の額 不足している情報があれば、レシートの余白や裏に手書きで不足情報を記入しておきましょう。また、インボイスとして保存する場合は、買手側は情報を追記できないので注意してください。 公私混同していないか確認 レシートで経費精算する前に内訳をチェックし、仕事で必要な商品やサービスのみのレシートであるか確認しておきます。もしプライベートで利用した商品のレシートが混ざっている場合は、レシートを一覧し、仕事用の商品を丸で囲んだりマーカーで印をつけておいたりして、仕事用で使っているレシートの金額のみを経費として計上しましょう。プライベートで購入した商品のレシートが混ざっていても、区別して経費として認められる項目のみ計上すれば問題ありません。 関連記事:事業主貸の上限は?事業主貸の概要、仕訳の方法やポイントを解説 5万円以上の買い物は収入印紙の有無をチェックする 税抜5万円以上の買い物をした場合は、売上金額に応じて収入印紙が必要になります。レシートも領収書と同様に必要になるため、レシートを受け取る際には収入印紙が貼付されているかチェックしておきましょう。 会計ソフトを使い、様々な経理業務を行う 領収書を用いた経費計上などのさまざまな経理業務をスムーズに行うために、会計ソフトを選ぶのもおすすめです。会計ソフトの中には、初めて導入する方でも簡単に使えるクラウド会計ソフトが多くあり、初年度無料でたくさんの機能が使用できるなど初心者向けのものもあります。 また、日々入力したデータは顧問の税理士や会計事務所とクラウド上で共有できるものもあるので、経理業務がわからない個人事業主におすすめです。 領収書とレシートに関するよくある質問 ここでは、領収書とレシートに関するよくある質問を紹介します。 領収書とレシートの両方は貰えない? 領収書とレシートの両方は貰えません。なぜなら、領収書とレシートは双方が同じ取引に対する支払証明であるからです。一般的にレシートは購入時に自動的に発行されるもので、領収書は購入後に発行される公式な証拠書類です。 領収書とレシートの両方の証明書類を発行すると、二重精算となりトラブルのもととなります。しかし、勤務先によっては「宛名なしの領収書は経費精算に使用できない」といった独自のルールが決まっている場合があります。 その場合は、飲食店などに事情を説明して手書きの領収書を発行してもらい、レシートは発行者側に返却しましょう。 レシート以外に領収書代わりに経費になるものは? レシート以外にも代用できる書類は次の通りです クレジットカードの利用明細書 銀行の振込金受取書(振込明細書)・預金通帳 オンライン販売の確認メール・取引画面のキャプチャー画像 ご祝儀袋の表書きコピー・香典返しの挨拶状など クレジットカードの利用明細書とは、クレジットカードを使ったときにレシートと一緒に渡されるクレジット売上票と表記された書類です。レシートと同様に、取引年月日や支払金額などが記載されている必要があります。 しかし、クレジットカード会社からの請求明細書等は、商品やサービスの提供元が作成した書類ではないため、代用できないので注意しましょう。 銀行振込の取引の際に振込金受取書(振込明細書)が発行されます。振込金受取書は銀行が発行するものなので厳密には領収書ではありませんが、支払の証憑として代用できます。 オンライン通販やダウンロード販売などのオンラインで取引した場合は、確認メールや取引画面のチャプチャー画像が支払いの証明になりますが、納品書は領収書の代用品にはならないので、注意しましょう。 お祝い金を支払ったときはご祝儀袋の表書きのコピー、香典を支払ったときは香典返しの際の挨拶状(お礼状)などが支払いの証明になります。冠婚葬祭の会費については、招待状や告知メールを保存して代用しましょう。 経費に関するお悩みはお任せください 今回は、経費は領収書の代わりにレシートで代用できるのか、レシートを活用するメリットとデメリットなどをまとめました。会社や個人事業主にかかわらず、金銭に関することは知識がない素人が間違えたことをすると人生を左右します。 そのため、適切な対応を行うには、状況に応じた方法を理解して必要に応じて顧問税理士に相談しましょう。 税理士法人プロゲートでは、法人及び個人事業主様の会計業務をサポートしておりますので、経費清算に関連するお悩みがあればお気軽にご相談ください。経験豊富な税理士が、お客様の状況に合わせた最適なアドバイスを提供いたします。 関連記事:経費計上のタイミングはいつがベスト?考え方を解説