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【中小企業向け】銀行との上手な付き合い方!メリットやポイントを解説

中小企業にとって、銀行と上手に付き合っていくことは重要です。事業を行う上で、円滑に融資取引を行っていくことは、とても大切になります。 銀行との付き合い方を知ることで、銀行との関係性を向上させ、中小企業経営者とのビジネスパートナーシップの強化に繋がります。 中小企業経営者の方で、「なかなか融資が受けられない」と悩んでいる方は、銀行との付き合い方を見直してみる必要があるかもしれません。銀行の融資担当者も「人」なので、業績が今一つで、さらにこれまでの付き合いも思い入れもない企業に対して、あえて難しい審査を通そうとは思わないものです。 そこでこの記事では、中小企業向けの融資を受けられる銀行の紹介と、上手に付き合うポイントや、方法、メリットについて解説していきます。 中小企業向け|金融機関の選び方 一般的に、起業したての小規模な会社や中小企業が融資を受ける際は、その土地の地方銀行や、信用金庫に相談することをおすすめします。 地方銀行は、都市銀行などメガバンクと比べ、中小企業や個人のお客様に細やかなサービスを展開する地域に密着した銀行になります。 信用金庫は、信用金庫法の元で運営されている非営利団体で、銀行業務が展開できるエリアが限定されている機関になります。 この2つの機関は、中小企業が融資を受けるには適した銀行になっています。都市銀行のように、資金は多くありませんが、どちらも地域密着でしっかりと寄り添ってくれるアドバイスを受けられることでしょう。 銀行との付き合い方のポイント こちらでは、銀行との付き合い方のポイントを6つご紹介します。 会社を設立して、銀行とも良い関係を築いていきたい方や、銀行との付き合い方が良く分からない方は、ぜひ参考にしてみてください。 会社の身の丈に合った銀行を選ぶ 銀行と上手に付き合っていく為には、会社規模にあった銀行を選ぶ事が重要になります。 地方銀行や都市銀行、信用金庫などの銀行の特徴を理解し、どの金融機関の融資が自社に適しているかを見極めることが大切になります。 例えば、設立したての会社が融資を受けるとなった時、大手の都市銀行に相談をしても、年商10億円以下の企業には融資をしてくれないことの方がほとんどです。 その点、地方銀行や信用金庫は、説明したように地域密着型で地域経済に大きな影響力を持っていることが多いです。そのため、地域社会の利益を重視し、中小企業向けに親身にサポートを提供してくれるでしょう。 会社の規模をしっかりと把握して、長く付き合いができるように会社の身の丈に合った銀行を選ぶようにしましょう。 複数の銀行と取引する ひとつの銀行だけで取引を続けていると、いずれ融資枠が上限に達してしまい、それ以上の融資を受けるのが困難になってしまう場合があります。また、銀行の経営方針の変更や、担当者の変更などに左右されてしまうことも少なくありません。 そのような事態にも迅速に対応できるように、複数の銀行に口座を開設し、融資の取引をすることが大切になってきます。1つの銀行からの融資がストップしてしまっても、もう1つの銀行からの融資は引き続き受けることができます。そのため、資金調達を安定して行うことができるようになります。 また、複数の銀行と取引することによって、借入金額、金利、返済期間などの条件を競わせることができます。競争原理を活用して有利な条件を引きだすことができる可能性があります。 銀行の嫌がる行動は避ける 以下の行動は、銀行に嫌われることになりかねなかったり、今後の取引に影響がでたりする可能性があるので避けましょう。 ・正確な情報を提供しない。情報提供に非協力的・提出書類や経営者(社長)の発言内容がいい加減、辻褄が合わない・自社が困ったときだけに助けを求める・何も言わず銀行を乗り換える・態度が横柄、融資を急いでほしいと言う 定期的に会計帳簿を提供する 融資を受けている場合、返済能力があるかどうか、利益や資産・負債の状況は銀行がいちばん確認したいところになります。このため、決算書など資料の提出を求められますが、ここで年に一度の決算書だけでなく、月次や四半期の帳簿も提供することで、銀行からの評価が高くなるでしょう。銀行から求められずとも、会社側から報告する姿勢でいることで、とても良い印象を与えることができます。 定期的にコミュニケーションをとる 融資している銀行側では、融資先の経営状態は常に把握したいところです。このため、銀行の担当者の方から、定期的に会社に訪問してくれることが多く、例えば、信用金庫なら定期積立の現金回収のタイミングで訪問してくれることもあります。 そのような中でも、会社側から積極的に銀行に訪問してコミュニケーションをとると、さらに先方と良い関係を築くことができるでしょう。融資の借入実行の時だけ依頼をし、融資が下りてその後は連絡を取らない姿勢でいると、銀行との信頼関係は築けません。融資を受けるのは一度だけではないことが多いので、今後の融資をスムーズに受けるためにも、コミュニケーションを取って信頼関係を築くことが大切です。 銀行主催のセミナーに積極的に参加する 各銀行では、セミナーや勉強会を開くことが多くあります。可能であれば出席をして、付き合いを深めておくと良いでしょう。実行できる範囲内でお互いに協力することで、もしもの時は手を取り合える関係を築くことができるでしょう。 ですが、付き合いが長いと、銀行から金融商品をすすめられたり、必要性のない借入をすすめられることがあります。付き合いのためと、要請に応える会社も多いかもしれません。 しかし、これらはあくまでも可能な範囲で行うようにしましょう。会社の経営に多大な影響がでてしまうことが分かってる時は、無理に要請に応える必要はありません。 銀行と付き合うメリット 銀行と長く付き合うメリットとして、資金繰りで困ってしまったり、問題が起きてしまった場合にアドバイスをくれたり、一緒に問題を解決してくれることがいちばん大きいでしょう。 会社の中で解決しようとしても、お金が絡む問題だと、難しくなってしまい中々解決に至らないケースがあるかと思います。 そのような時に銀行員に相談すると、解決の為にアドバイスをしてくれたり、親身に相談に乗ってくれるところが、メリットになります。 銀行と上手く付き合うには信頼が大事 以上、中小企業が銀行と上手く付き合っていく6つのポイントとメリットをご紹介しました。 中小企業と銀行の付き合い方には、会社にあった銀行を選ぶことが重要になります。その後も、信頼を構築していくために、融資の返済期日を守ったり、約束・時間を守るといった、当たり前の行動が大切になります。もし、融資で借りたお金を返済期限までに返す事ができていなかったり、約束や商談の時間を守れていなかったり等、銀行に対して怠惰な行動をしていると、そういった理由で信頼は徐々に失われます。 中小企業にとって、銀行との関係は切っても切れないものだと思います。良い関係を築くことで、さらなる企業の発展に繋がることでしょう。 税理士法人プロゲートは、仙台市の中小企業様を中心に財務全般の支援を行っており、融資実行率90%以上の実績がございます。仙台市近辺の方や、宮城・山形県内の方でもご相談を受け付けております。 融資を受けたいが何をしたらいいか分からない方や、事業計画書の作成の仕方が分からない方、融資が通るか判断してほしい方は、お気軽にご相談ください。 関連記事:中小企業の適切な資金調達の方法とは?流れや注意点について解説 関連記事:銀行から創業融資を受けられる?創業融資が可能な金融機関を紹介


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個人事業主の融資はいくらまで受けられるのか?

個人事業主として事業を続けるにあたり、金融機関からの借入によって事業拡大などを行うことも増えてきます。 しかし、法人と違って個人事業主がいくらが限度で融資を受けられるか不安に思うことはあるでしょう。 この記事では、現在、個人事業主の方に向けて、法人の融資の借りやすさの違いや個人事業主が融資を借りられる相場、融資を受ける際の注意点を解説します。 個人事業主と法人で融資の違いはあるのか 個人事業主は法人よりも融資を借りにくいといわれることがありますが、現在ではそのようなことはありません。 商法が施行された当時には、株式会社は1,000万円、有限会社は300万円という最低資本金制度があったため、不利であると言われていました。 しかし、会社法の施行に伴って最低資本金制度は廃止され、実質1円からでも会社を設立できるようになりました。 そのため、法人でも個人事業主より出資金が少ない企業も多く、その意味でも個人事業主と法人とでは差がなくなってきているのが現状です。 また次のような理由でも個人事業主は法人よりも借りにくいといわれています。 個人事業主の信用力が低いため不利 個人事業では利用できない制度がある 財務書類の信憑性が低い 個人事業主の信用力が低いため不利 個人事業主と法人を比較した場合、事業面では法人の方が顧客に安心感を与えやすいというメリットがあります。 しかし、これはあくまでも営業をする場合の話であり、融資の審査においては、「売上げがいくらあるのか」「利益はどれぐらい出ているのか」が重要なポイントになります。 もちろん、大規模な事業をする場合には法人化する必要がありますが、事業の規模が小さい場合は、個人事業主に対する信用が低いため融資が受けにくくなるということはありません。 個人事業では利用できない制度がある 以前は法人だけが利用できる融資の制度がありましたが、現在は一部のローンを除いて、個人事業だから利用できない融資というのはほぼありません。 ただし、現在でも一部では法人のみを対象としたものがある他、出資や会社が資金調達を目的として投資家から金銭の払込みと引き換えに発行する社債を前提とした資金調達方法などは利用できません。 財務書類の信憑性が低い 個人事業主は法人と違い、1人でさまざまな書類を作成しなければなりません。 法人のような正確な財務書類が作られていないから個人事業主は融資に不利になるという方もいますが、これも融資の判断では関係ありません。 たしかに、作成された財務資料の内容がいい加減な場合には問題となりますが、それは法人についても同じことがいえます。 個人事業と法人では作成する資料の種類は異なりますが、会計処理に従った記帳や処理をしていれば問題ありません。 現在においては個人事業でも法人でも、融資の受けやすさに変わりはありません。 ただし、事業承継をした場合には、個人事業では許認可を引き継げないため、新たに相続人の名義で事業をしなければならないことに注意が必要です。 希望する融資額が借りられるかどうかは審査次第です。 銀行や信用金庫などの金融機関と同様、日本政策金融公庫から希望する融資額が借りられるかどうかは審査次第となるため、借入先として日本政策金融公庫を検討中の人は注意が必要です。 融資を受けられる金額の相場 金融機関からの借入平均は800万前後といわれています。 次の表は金融機関等からの借入平均を表にしたものです。 年度融資の平均金額2018年859万円2019年847万円2020年825万円2021年803万円2022年882万円2023年768万円 参考:2023年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫 表のとおり、金融機関からの借入平均額は700万円後半から800万円後半となっています。しかし、800万という値には、多く融資を受けた者も少なく受けた者も含まれており、全員が800万円を借りられるわけではありません。 実際の創業融資の金額には、300万円〜1000万円ほどの幅があります。そのため、自分がどのくらいの金額を借りられるかをより具体的に判断したい場合は、実際に自分でどれぐらい必要なのかを計算するのがおすすめです。 また商品の仕入れや従業員の給与など事業に必要な資金である運転資金は、月商の3か月分が目安になります。月商とは、個人事業主や企業が事業活動で得た1ヶ月の売上総額のことです。中小企業の月商の中央値は125万円程度といわれているので、運転資金の融資額は、375万円程度が相場といえます。 ただし、実際の金額は各自の資産や借入の状況、業種などによって変動するので注意しましょう。 個人事業主が受けられる融資制度 日本政策金融公庫 日本政策金融公庫は政府が全て出資をする金融機関で、中小企業や個人事業主を対象にさまざまな融資制度を提供しています。 政府系金融機関のため、金利が低めに設定されている点が最大の特徴です。借入期間も長く、返済期間は5年以上からの選択となります。 長い期間借りられて1回あたりの返済額は少なく済むため、借りる側としてはメリットがあると言えます。 しかし、デメリットとしては審査内容が厳しく、審査に時間がかかることです。申請から融資開始まで数ヶ月以上必要になることも多いため、準備には計画性が求められます。 民間のビジネスローンのように申し込んですぐに融資がおこなわれるというわけではないため、ある程度の時間が必要な点にも注意が必要です。 関連記事:日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の流れをプロセスごとに解説 関連記事:起業家必見!日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の必要書類を紹介 信用金庫 信用金庫とは、その地域の人々が利用者・会員になってお互いに地域の繁栄を図る協同組織の金融機関です。 銀行の主な取引先が大企業であるのに対して、信用金庫等の取引先は地域の個人事業主や中小企業になります。日本政策金融公庫よりも金利は高い傾向にありますが、銀行に比べると融資の難易度も金利も低いことが特徴です。 銀行に融資を申し込む前に、まずは地域の信用金庫等を検討してみましょう。 銀行融資 銀行は企業との取引が中心ではありますが、個人事業主でも融資は受けられます。 銀行融資を受ける際は、昔なじみの担当者がいる場合はその担当者を通じて申し込むか、銀行の融資窓口で相談をしましょう。申し込みをした後は、決算書をはじめとした融資審査のために必要なさまざまな資料を用意する必要があり、それらの書類をもとに融資が可能かどうか、金利や融資額などが決定します。 関連記事:銀行から創業融資を受けられる?創業融資が可能な金融機関を紹介 地方自治体や助成金・補助金 地方自治体は、比較的低金利で、各地方自治体で融資制度が設けられているケースも多いです。 「お住いの都道府県・市区町村名+融資」といった検索ワードや自分の都道府県や市町村のホームページでも調べてみましょう。また、融資と異なり返す必要のないのが補助金や助成金です。 返済の必要がないため、今後の資金集めが楽になりますが、補助金や助成金の目的に自分の業態が当てはまっているかを確認する必要があるので、融資よりも先に確認しておきましょう。 融資を受けやすくする5つのポイント 個人事業主はさまざまな融資を利用できますが、誰でも無条件で融資を利用できるわけではありません。 金融機関から希望額の融資を受けるためには、次の5つの点に注意する必要があります。 ・資金用途が明確となっている・返済が見込める計画となっている・税金、家賃、ローン等の滞納がない・事業計画を作成・提出する・代表者や役員の信用情報に問題がない 資金使途が明確となっていること 融資を受ける際には、資金使途といわれる「融資を何に使うのか」という、融資を受けた際の資金の使い道が重要となります。 資金使途には、設備資金と運転資金の2つがあります。 金融機関ではこの資金使途から「何のために融資を受けるのか」「返済能力はあるか」などを判断して融資をするかどうかを決定します。そのため、資金使途が赤字資金の穴埋めや生活資金の補充のような適切な使い方でないものや、事業に関係ないものである場合には融資は行いません。 また、事業の規模や内容から融資は必要ないと判断される場合にも、融資の対象とはなりません。十分な融資を受けるためには、見積書や事業計画書などを充分に確認して納得してもらう必要があります。 返済が見込める計画となっていること 融資の審査では、融資の返済が見込めるのかが結果に大きく影響します。 返済に必要な利益を返済キャッシュフローといいますが、返済キャッシュフローは「営業利益+減価償却費」の計算式で算定されます。 そのため、キャッシュフローが獲得できない計画となっている場合や、計画の内容に実現性が低いと判断される場合には、希望額の融資を得られません。したがって、その計画が実現可能であり、数字や理屈的にも根拠のあるものとなっている必要があります。 税金、家賃、ローン等の滞納がないこと 政府系・民間を問わず、申込時に税金などの滞納がある場合は、金融機関からの融資は難しくなります。 税金だけでなく、家賃や光熱費、住宅ローンを含む各種ローンについても過去6ヶ月〜1年の間に支払いの遅れがある場合は同様となります。また、税金の未納については納税証明書の記載で判明しますが、それ以外の家賃や公共料金等の支払い状況については、引き落し口座の口座履歴や支払い済みの領収書などで確認が行われます。 ただし、支払いに遅れがあってもその日数が短い場合や、税務署と分割納税の協議ができている場合などは、問題とならないこともあります。 事業計画を作成・提出すること 通常、創業融資以外の融資については、借入れは融資申込書を提出して行いますが、融資を受ける可能性を上げたいのであれば、借入れや事業の内容を事業計画書としてまとめて提出しておきましょう。 借入申込書は、借入れの内容を記載したものですが、「なぜ借入れが必要となったのか」「具体的にどのように返済するのか」などを書くスペースがありません。しかし、金融機関が確認したいと考えていることや、今後の計画を事業計画書にまとめて説明すれば、融資が出る確率が高くなります。 なお、事業計画書には、次の4つの項目をまとめておくとよいでしょう。 過去3年間分の決算書の数字をまとめた現在の財務状況 最近の業況や現在に至るまでの経緯 仕入や人件費、家賃などの具体的な使い道 返済利益が獲得できる根拠や販売の戦略 また、計画の内容についてはできるだけ客観的に見て納得してもらえるものとする必要があります。 代表者や役員の信用情報に問題がないこと 融資の審査では代表者の個人情報に問題がないかの確認が行われますが、もし、ローンの延滞などにより信用情報機関に情報が記録されている場合には、融資は困難になります。 また、信用情報のチェックは、代表者だけでなく、他に取締役や監査役がいる場合には、これらの方についても行われます。そのため、代表者だけでなく、他の役員等に個人情報上の問題がないかどうかについても事前に確認しておく必要があります。 融資を受ける上での注意点 融資を受ける上での注意点を2つ紹介します。 ・確定申告をしないと融資を受けられない・経費処理可能なのは利息部分のみ 確定申告をしないと融資を受けられない 一般に金融機関の審査では確定申告書の提出を求められます。 確定申告書を見れば個人として営んでいる事業のおおよその状況がわかりますし、数年分を見れば事業が成長しているかどうかも把握できます。 年間の所得が38万円以下の人は確定申告をしなくてもよいとされていますが、赤字の繰り越しなど、よいこともたくさんあるでしょう。もし、確定申告を行っていないなら、銀行や公的金融機関から事業資金の融資を受けるのは難しいので、確定申告を行うようにしましょう。 経費処理可能なのは利息部分のみ 事業資金として受けた融資の返済を行っている人は、確定申告の際に利子部分を経費とすることができます。 元金部分については経費にはできないので、あくまで利子のみが経費として認められます。 その他にも、借入手数料、保証料、印紙代などがかかっている場合も経費にでき、繰上返済した場合の手数料も同様です。 融資についてよくある質問 個人事業主の融資についてよくある質問を2つ紹介します。 起業する際に自己資金なしで融資を受けることはできますか? 起業の際、自己資金なしで融資を受けることは、絶対にできないというわけではありません。 可能性は0ではありませんが、基本的には自己資金なしで融資を受けられることは難しいです。最低でも、融資希望額の10分の1ほどの自己資金を準備しておきましょう。 スムーズな融資を希望する際は、できるだけ多くの自己資金を準備しておきましょう。 関連記事:自己資金なしでも創業融資は受けられる?注意点を解説 個人事業主でも通りやすい融資はありますか? 個人事業主でも通りやすい融資の一つに「ビジネスローン」が挙げられます。 ビジネスローンとは、特にビジネスを目的としたローンのことです。融資までのスピードが早いのですぐにお金が必要な時に心強いといえます。金利は高めですが、融資審査の判断基準は個人の信用力がどのくらいあるかが重要なので創業時でも利用しやすいです。 個人事業主の融資はお任せください! 今回の記事では、個人事業主が融資を借りられる相場や融資を受ける際の注意点などをまとめました。 法人と違って個人事業主は自分で考えることが多くなってきます。特にはじめて会社を設立すると分からないことが多いのではないでしょうか。その際は、必要に応じて顧問税理士に相談してサポートしてもらいましょう。 税理士法人プロゲートでは、宮城県仙台市を中心に融資支援を行っており、融資実行率90%の実績がございます。会社設立の支援実績も200社以上ありますので、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。経験豊富な税理士が、お客様の状況に合わせた最適なアドバイスを提供いたします。 関連記事:創業融資は個人事業主でも受けられる?おすすめの資金調達と融資の流れを解説 関連記事:青色申告の個人事業主がパソコンを経費計上する時の勘定科目や仕訳例を解説


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融資を通しやすい事業計画書の書き方とは?ポイントなどを紹介

これから起業や開業をする方で、銀行や日本政策金融公庫などの金融機関から融資を受けたいと考えている方は多くいると思います。 融資を受ける際には、事業計画書を作成し、金融機関や投資家に提出しなければなりません。しかし、「事業計画書は何を書いたらいいかわからない」「なぜ事業計画書を作成するのか」と思われている方も多いでしょう。 この記事では、事業計画書の内容や事業計画書を作成する理由、事業計画書に関するよくある質問などを記載します。「質の高い事業計画書を作成したい」と思われる方の参考になればと思いますので、ぜひ最後までお読みください。 事業計画書とはどのようなものか? 事業計画書とは、「どのように事業を運営していくのか」「どのように利益をあげていくのか」などの具体的な行動を示す書類のことです。 金融機関は、融資先から利息をつけて返済してもらうために成長が期待できる企業に融資をする必要があるため、融資先の事業の中身や今後の事業展開などを把握しておきたいと考えます。また、投資家も作成した事業計画書で投資の有無を判断します。 関連記事:起業家必見!日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の必要書類を紹介 事業計画書はなぜ必要か 事業計画書が必要な理由は大きく2つあります。 ・イメージを具体化し、事業の全体像を明確にするため ・金融機関や投資家にビジネスをアピールするため イメージを具体化し、事業の全体像を明確にするため 事業計画書を作成することで、頭の中で考えている新規事業のイメージを具体的に表現でき、「どうすれば売上を上げられるか」「どうすれば利益が見込めるのか」を再確認できます。 また、事業の優位性や独自性、改善点や新しいアイデアなど今頭の中で考えている事業を客観的に見直して整理できるので、事業計画書は必要と言えるでしょう。 金融機関や投資家にビジネスをアピールするため 事業計画書は新規事業のイメージを具体的にするだけではなく、「自分がどのような事業を行いたいのか」を第三者に伝えられます。 具体的なビジネスプランや実現可能な数字など根拠のある事業計画書を用いることで、事業の将来性や信頼性、返済能力があることを金融機関や投資家にアピールできます。 また、事業計画書があることでビジネスの可能性を分かりやすく伝えられるため、これからビジネスを一緒に始めるビジネスパートナーや従業員から信頼を得やすくなるでしょう。 関連記事:日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の流れをプロセスごとに解説 事業計画書に記載する11の内容 事業計画書を書く内容は次の11個です。 1、創業者のプロフィール 2、創業の動機・目的 3、事業内容やターゲット 4、市場環境 5、自社製品の優位性や販売戦略 6、人員体制 7、販売・仕入先 8、借入の状況 9、事業の収益計画 10、必要な資金 11、資金の返済計画 1,創業者のプロフィール 創業者の経歴や、保有している資格など、アピールポイントをまとめて、事業に関連する経歴を強調して書きましょう。 アピールポイントを記載する際は、「体力に自信がある」「約束事を守る」などの抽象的な表記は避けて「〇〇の国家資格を持っている」「△△で10年間勤務していた」など個人の強みがわかるような経歴を書きましょう。 最近の収入状況を記載すると、融資担当者が自己資金との関連性を見る材料にもなるので必ず記入します。 学歴が高ければ良いというわけではないですが、できるだけ記入することで、始める事業に関連する経験や知識を学んだ学校や留学先があるなら強みになるでしょう。 ただし注意点として、事業に関連しないプロフィールを長々と羅列させても事業計画書そのものを読みづらいものにしてしまうため注意しましょう。 2,創業の動機・目的 創業の動機には、事業を始める目的や理由、商品説明と差別化、ターゲット層や市場などを書きます。 書く際は経営者の経歴と事業がどのように関係しているかを記載すると説得力が増します。 創業者や事業の運営メンバーのプロフィールに目立った部分がなくても、「この事業を通して実現したいこと」「自分にしかできないこと」などがあれば有利になります。 またSNSなどで、すでに顧客を獲得できている場合も、記載しておくと信頼性が増します。 読む相手が融資するか判断するために「どのような事業をしているのか」「事業を通じて社会にどのように貢献するのか」を明確にして、空欄がすべて埋まるように記入しましょう。 3,事業内容やターゲット 事業内容では、「誰にどのような商品を提供するのか」「料金や単価」「商品やサービスの特徴」などを明確かつ端的に記載します。 記載するうえで、自社で提供する商品やサービスは、そのようなユーザーのニーズを満たすものなのか明確にしておきましょう。ターゲットが曖昧で、事業内容が分かりにくいものだと金融機関から返済能力がないと見なされ、融資の審査で落ちてしまう可能性があります。 より強い説得力を持たせるためにも、ユーザーの性別や年齢層やエリアはもちろん、事業内容に対する興味関心や家族構成などまで設定できるといいでしょう。 また、金融機関や投資家は専門性があるわけではないので、どんなに良い技術・知識を事業化しようとしていても説明が複雑すぎると、理解してもらえずに審査に落ちる可能性があります。専門用語を避けて、誰もがわかる言葉に置き換えて、第三者にも分かりやすい言葉に変えて記載するようにしましょう。 4,市場環境 革新的なアイデアが思いついたと思っても他の企業に先を越されてしまっては、売上・利益の振れ幅は期待できません。 市場調査を行い、「商品やサービスが売れる可能性があるか」「これからの将来に利益が失脚するリスクがないか」を調査した結果を書きます。市場調査では、「行おうとしている事業にどれほどの競合他社が存在するのか」「これから競合他社が増える可能性があるのか」「シェア率を独占している企業がないか」を洗い出します。 また、市場調査は今後の予測として商品・サービスがどれほど必要とされるか予想するものであり、予測される流行の終わりの時期や近い将来の伸び代を数値化するものです。 文章で説明するのではなく、国や自治体が行っている調査や調査会社が行っている調査などに独自で調査したデータを付け加えて、市場規模や市場の成長性などを図やグラフを使って記載すると金融機関や投資家もイメージが湧きやすくなるでしょう。 5,自社製品の優位性や販売戦略 自社製品やサービスが同業他社と比べてどのように優れているのかを分析して記載します。 分析にはSWOT分析を用いて行う方法があります。SWOT分析とは、自社の環境を強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4つの項目ごとに分析する方法です。SWOT分析を用いることで、自社の優位性や事業の課題、将来的なリスクなどを見つけられ、競争優位性をアピールすることができ説得力が増します。 また、自社の商品やサービスを販売するための手段やコストをまとめた販売戦略の計画も記載しましょう。 事業を行う上で何が必要で必要なコストはどれぐらいかかるのかを正確に分析し、売上予想との損益分岐点を明確にしましょう。 6,人員体制 従業員を3か月以上雇う場合は、従業員の数も記載します。 事業を始めた頃はできるだけ人件費を抑えた方が経費や支出が少なくなり、融資を受けやすくなります。また「どのような組織体制をとるのか」「どれほどの人数の規模で行うのか」「事業に適した人材が揃っているのか」など役割決定や意思決定の流れを示すために、社内や組織の体制も記載しましょう。 商品やサービスが優れたものであっても、新事業の組織体制が良くなければ成功できません。無理のない人員計画をおこないましょう。 7,販売・仕入先 販売先や仕入先が決まっている場合はその旨を記載しましょう。 事業計画書を提出する時点で取引先などが決まっていると、金融機関や投資家へビジネスに対する真剣さをアピールでき、取引先と契約を結んでいる資料などを添付することで事業をより具体的にイメージしてもらえます。 8,借入の状況 事業や個人で借入がある場合は、正しい数字で必ず記入しましょう。 借入がないことに越したことはありませんが、ある場合は返済額も稼がないといけないので、より多くの利益が上がるビジネスプランを作成する必要があります。 日本政策金融公庫は個人信用情報登録機関に照会をかけ、実際に借り入れしている金額を確認することができるので、嘘の情報を記入してしまうと信用を失ってしまいます。 なお、消費者ローンやカードローンなどの金利が高い借金をしている場合は審査上では不利になるので早めに返済しておきましょう。 9,事業の収益計画 事業の収益計画では、年次・月次損益計画書を作成します。 年次・月次損益計画書とは、目標を立てたうえで事業に取り組むと、売上高がどのくらいあり、利益がどのくらい得られるのかを示す計画のことです。 「どれくらいの収入を得られるのか」「経費がどれくらい発生して利益がいくら出るのか」を明確に記載します。 記載する項目は以下の8つです。 売上高 仕入れ値 人件費 家賃 支払利息 その他の経費 経費の合計 利益 また毎月の利益が返済予定額を下回らないようにしましょう。 金融機関や投資家は融資の判断をするにあたり、毎月の返済予定額をきちんと返していける能力があるかどうかを重視するため、毎月の利益が毎月の返済額よりも多い必要があります。 創業してすぐには黒字経営になるのは難しく、起業して半年や1年以内に軌道に乗った後に黒字になるのが理想的です。早期黒字化の見込みがある計画を実現可能な根拠をもとに、立てていきましょう。 10,必要な資金 必要な資金は、「何にいくら必要か」を明確にして記載しましょう。 この項目は、「なぜこの金融機関からこの金額の融資を受ける必要があるのか」という根拠を示す項目なので、審査を受ける上で最も重要な項目となります。 必要な資金は、大きく設備資金と運転資金に分かれています。 設備資金とは、設備・施設などの購入や契約といった設備投資のために一時的に発生する資金のことです。改装費ならば業者からの見積書、賃貸ならば賃貸条件が分かるものなど設備資金に関する書類を提出しましょう。 運転資金とは、企業が事業を維持していくために必要な商品の仕入れや従業員の給与、広告など、事業運営していく中でかかるさまざまな費用をまかなう手元資金のことです。3〜4ヶ月分くらいを目安に記入しますが、事業の収益計画の売上原価と経費に記載する内容と一致する必要があります。 運転資金は、自己資金半分、融資半分位の目安で無理のないバランスになるように記載しましょう。 関連記事:自己資金なしでも創業融資は受けられる?注意点を解説 11,資金の返済計画 返済計画は、どこまで自己資本で行い、どこまで融資に頼るのか、融資で借りた分の金額をどのような計画で返済するのかを記載します。 返済計画を不透明に記していると、金融機関や投資家側は「貸した元本が返って来ないのでは?」「利息を払ってもらえず利益にならないのでは?」と疑ってしまい、今後追加の融資を断られる可能性もあります。 市場調査や販売戦略などを通して、返済計画を全うできるかどうか、もしも厳しい場合は自己資本で返済できるかどうかなどを見るので、明確な数字や文章を用いて返済が現実的に可能であることを証明しましょう。 事業計画書のポイントとは 事業計画書を書く上でのポイントは次の5つです。 ・理解しやすく誰が見てもわかりやすいこと 事業計画書は誰が見ても分かるようなものを作成することが重要です。 自社の魅力や情報をたくさん伝えたいと思うあまり、事業計画書に膨大な情報を盛り込みすぎてしまうことがあります。そうすると、計画書自体が読みやすくても読み終えるまで時間がかかってしまい、何をアピールしたいのかが伝わりにくくなります。 内容が読みやすく、10~15分程度で読み切れるボリューム感にしましょう。 事業計画書に書かれている内容が具体的かつ正確で、要点を抑えてまとめられていると、金融機関や投資家側がスムーズに理解できるので事業への関心が高まります。 ・現実的で実現できる目標を設定する 事業計画書に書く目標は、具体的な数値やデータを用いて、現実的に実現できる目標を設定しましょう。 金融機関の融資担当者は、「融資先の企業がどのような計画で事業を進めるのか」「どうやって利益をあげられるのか」を重視します。例を挙げると、「1年目と2年目で売上300%UP」のようなインパクトのある数字を書くことはできますが、数字を出す際には根拠の説明が必要です。 事業立ち上げの1〜2年間は赤字で黒字になるタイミングがあるのであれば、それは「いつ」で「なに」が影響するのか明確に記載しましょう。数字だけでなく、資料なども添付しておくと説得力が上がります。 経営者の頭の中で思い描いている新規事業のイメージを現実的に可能なレベルにまで落とし込み、数字の根拠を示すことで現実性の高い事業計画書を作成できます。 ・全体的に整合性が取れた状態にする 事業計画書では、ただ事実を並べるだけではなく「この事業に投資をしたらメリットがある」と期待してもらえるような流れを作成しましょう。 整合性とは、基本的に融資を受けてまで始めるビジネスであれば年を重ねるごとに売上・利益が急速に右肩上がりになるような数値が期待されることを指します。 売上や利益の伸びが中途半端であれば販売戦略を練り直し、戦略と収支計画が合致しているか確認した上で提出しましょう。 ・経営理念に力を入れる 経営理念とは、企業が「何のために企業活動をするのか」「社会にどのような恩恵をもたらしたいか」や企業が向かうべき方向性を明確にするための存在意義をまとめた言葉です。 経営理念は抽象的かつ感情的な要素を多く含んでいるので、起業直後の段階で力を入れる人は少ないでしょう。しかし、融資担当者は経営理念も確認していて自社の商品やサービスの強みや損益計画などが記載されていても、経営理念に反することが書かれていれば、審査を通過しない可能性があります。 経営理念は、企業のルールやモットーのようなものであり、経営者の信頼性を推し量る項目にもなります。 融資担当者に熱意を伝えられるように、商品・サービスを通して、社会にどのように貢献したいのかを盛り込みましょう。 ・熱意を伝える 融資審査に通過するには、仕事に対して情熱を持って取り組む姿勢や、コンプライアンスを遵守する誠実な態度を伝えることも重要です。 企業に将来性があっても「事業に対して真摯に向き合っていない」「従業員への教育がずさんである」と判断されると、融資の審査では不利になってしまいます。 経営者の人間性や事業に対する姿勢、経営方針や従業員の教育なども、融資の判断材料となりえるので、融資担当者に熱意を伝えるためにも、テンプレート的な文章・構成ではなく、自身の考えを事業計画書に反映させるようにしましょう。 事業計画書を作成するメリット 事業計画書を作成するメリットは次の4つです。 ・事業の全体の構造を理解できる ・事業の目的を明確にし、改善できる ・競合他社を理解できる ・事業を始めるビジネスパートナーと方向性を確認できる 事業計画書は、売上目標や販売戦略などはもちろん、他社との差別化や市場環境、事業の資金計画なども記載しなければなりません。 そのため、事業の構造や業界の仕組みなどが理解でき、頭の中に合ったビジネスアイデアを実際に実現できるか検証できます。 また、従業員を雇用するときにも事業計画書は役に立ち、事業計画書に記載されているビジネスモデルや今後の展望、目標達成の方法などを従業員に共有することで、事業の方向性を見失わずに同じ目標に向かって進められます。 事業計画書は、自分が考えたビジネスアイデアやプランを現実にする設計図のようなもので、事業計画書を作成せずに事業を立ち上げるのは設計図なしで家を建設するのと同じです。 事業計画書を作成して、事業の実現できる可能性を高めましょう。 事業計画書のよくある質問 事業計画書に関するよくある質問は次の7つです。 事業計画書は必ず必要? 融資の審査は事業計画書のどこを見る? 事業計画書は個人事業主も必要? 事業計画書が必要なタイミングはいつ? 事業計画書は誰からフィードバックをもらうべき? 事業計画書は何年分必要? 複数の事業を1つの事業計画書にまとめても大丈夫? 事業計画書は必ず必要? 事業計画書は必ずしも必要ではありません。 事業計画書は融資や出資を受ける際や事業の内容を見直すとき、起業するときに必要です。 提出義務はありませんが、具体的な行動計画を立てやすくなったり、融資を受ける際に相手にどのように事業を進めていくかを説明しやすくなります。 融資の審査は事業計画書のどこを見る? 融資の審査を受けるために事業計画書を作成するのであれば、簡単に重要な項目をまとめて記載しましょう。 事業計画書を完成させるためには、マーケティングや物流などの専門知識が必要になります。 経営経験があまりない場合は、全てを1人で作成しようとせず、専門知識を持つ従業員を雇ったり、外部委託を利用するなどして全項目の質を高く保てるように工夫しましょう。 事業計画書は個人事業主も必要? 基本的には、個人事業主やフリーランスは事業計画書を作成する必要はありません。 事業計画書とは、将来的にどれぐらいの収益を見込めるかの事業計画を示す物であり、複数の従業員を雇っている組織的な企業の経営者が必要になるのが一般的とされています。 ただし、個人事業主・フリーランスであっても、金融機関から融資を受けようと検討しているのであれば必要になるため注意が必要です。 関連記事:創業融資は個人事業主でも受けられる?おすすめの資金調達と融資の流れを解説 事業計画書が必要なタイミングはいつ? 事業計画書が必要なタイミングは、大きく分けて2つです。 まず、金融機関から融資を受けようと考えているのであれば、融資を受けても返済能力があることを証明するために書類を作成する必要があります。 次に、「新規事業や事業拡大計画の全体像を明確にして、利益が見込めるのか」「どのようなプランが必要なのか」を判断するための材料として使えます。 事業計画書は誰からフィードバックをもらうべき? 事業計画書が完成したら、専門家または同じ業界の人からフィードバックを受けることをおすすめします。 どんなに最後まで書ききったとしても、客観的にみると実際に融資を受けたことがあったり、融資を受けようとしている同業者が見た時に小さなミスから致命的なミスなどを見つけてもらえる可能性があります。 また、事業計画書では専門的な知識が必要なので、各分野に精通している従業員や外部の専門家に事実関係やこれらのことが矛盾していないか目を通してもらうとよいでしょう。 事業計画書は何年分必要? 金融機関等に提出する事業計画書を作成していると、何年分の計画を立てるべきか悩む経営者の方も多いですが、基本的に決まりはありません。 もしも金融機関側から何年分の計画を立てるか話題に出た場合、情報不足になるのを未然に防ぎたいのであればあらかじめ確認しておいても良いでしょう。 一般的には、返済期間に応じて3〜5年の収支計画を立てます。 複数の事業を1つの事業計画書にまとめても大丈夫? 複数の事業を同時に立ち上げる場合、事業内容が似ていて1つにまとめた方が分かりやすいのであれば、複数に分ける必要はありません。しかし、少しでも事業内容が違うのであれば、計画に必要な売上や原材料の仕入れ値などが混雑してしまい、分かりにくくなってしまいます。 融資の審査のために作成する事業計画であれば、一から説明して第三者が理解できるかどうかに重きを置いて、1つにまとめるべきかを考えましょう。 事業計画書に関してご相談ください 今回の記事では、事業計画書の作成方法や事業計画書がなぜ必要かをまとめました。 事業計画書の質の差によって、融資を受けられるかどうかは変わってきます。特にはじめて会社を設立する際は分からないことが多いでしょうか。その際は、必要に応じて顧問税理士に相談してください。 税理士法人プロゲートでは、宮城県仙台市を中心に法人及び個人事業主様の融資相談や事業計画書の作成サポートをしております。会社設立の支援実績も200社以上ありますので、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。経験豊富な税理士が、お客様の状況に合わせた最適なアドバイスを提供いたします。 関連記事:【必見】起業の準備でやること12選!リスト化して紹介


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中小企業の適切な資金調達の方法とは?流れや注意点について解説

企業にとって、資金調達は事業を円滑に進めるためにも重要なファクターです。しかし、融資や投資など、方法が複数あるため簡単には選択できません。 「資金調達にはどのような種類があるのか」 「中小企業はどうやって資金調達をおこなっているのか」 など、気になる経営者の方も多いのではないでしょうか。本記事では中小企業の資金調達の現状や、方法、流れなどについて詳しく解説します。ぜひ、最後までご覧ください。 中小企業の資金調達の現状 企業の設立や運営をしていく上で、活動資金というのは必ず必要です。ただ、現状として中小企業は大企業と比べると資金調達が難しいというのも事実です。理由としては、以下のような内容が挙げられます。 ・経営の基盤が整っていない ・担保がない 経営の基盤が整っていない 中小企業では、大企業と比べると、組織の規模が小さいことや、運営していくための体制が整っていないという傾向にあります。そのような状態の場合、ちょっとしたアクシデントやトラブルから事業が運営できなくなる可能性も高く、資金調達を行うことがリスクだと捉えられることで、資金調達を受けるのが難しいです。実際に2019年からのコロナウイルスによって、多くの中小企業が想定外のアクシデントに対応できず、倒産しています。 このように、想定していないアクシデントやトラブルに直面した時に、対応ができる体制が整っているかどうかは、金融機関や投資家など、資金調達をする側としては大きなポイントの一つとなります。 担保がない 事業の実績が悪い時や、アクシデントやトラブルがあった際でも、不動産などの担保がある場合は資金調達を受けやすくなります。しかし、中小企業は大企業と比較した時に、保有している不動産などの資産が少なく、担保できるものがないことから、資金調達を受けるハードルが高くなります。 他にも中小企業には、赤字経営の企業も多いことから、中小企業は資金調達が難しいと言われています。 資金調達の方法7選を紹介! 実際に資金調達をする際には、色々な方法があります。本記事では、その中でも、一般的に利用されている資金調達の方法についていくつか解説します。 日本政策金融公庫 創業間もない中小企業におすすめしたいのは、日本政策金融公庫の創業融資です。 日本政策金融公庫とは、一般の金融機関が行う金融を補完することがメインですが、他にも中小企業や個人事業主を支えることを目的としている機関です。 大きな特徴として、金融機関より融資を受けやすいことや、金利が低いことがあります。対象としては、新たに事業を始める企業や事業開始後おおむね7年以内の企業、事業の再建を図る企業など、様々な企業を対象としています。 一般貸付の場合、融資限度額は4,800万円となっており、金利は無担保の場合2〜3%、有担保の場合1〜2%と低金利での融資を受けることができる可能性があります。 参考:日本政策金融公庫|主要利率一覧表 日本政策金融公庫の一番のメリットとして、民間金融機関では難しい長期的な資金が調達できることが挙げられます。これは制度により前後はありますが、最長で20年の資金調達をすることが可能です。他にも、中長期的な視点で中立な立場から経営課題の解決に役立つ情報提供を受けられるのも大きなメリットとして挙げられます。 ただし、融資の詳しい条件や内容については、その時の事業の状況や内容によっても大きく異なりますので、資金調達が必要であれば、まずは相談してみてはいかがでしょうか。 関連記事:起業家必見!日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の必要書類を紹介 制度融資 制度融資とは、中小企業や個人事業主が事業に必要な資金を円滑に調達するために、地方自治体や金融機関、信用保証組合が連携して提供する融資のことです。 大きな特徴として、企業の将来性を重視した審査が行われることから、実績が少ない企業や、起業してからの期間が短い企業でも、比較的融資を受けやすいということが挙げられます。理由としては、返済が滞った時に、信用保証協会が保証してくれるため、金融機関側としても融資しやすい体制が整っているためです。また、これらのことから連帯保証人が不要のケースも多くあります。 また、日本政策金融公庫と同じく、長期的に低金利で融資を受けられることも大きな特徴の一つとして挙げられます。対象としては、自治体によって融資を受ける理由や条件などが異なるため各自治体の条件などの確認が必要になります。 例えば、宮城県では新規開業で3,500万円で最長10年の運転資金の制度融資があります。 山形県では、融資限度額は5,000万円で最長20年の制度融資があります。 制度融資は、中小企業にとって利用しやすい資金調達の方法ですが、手続きに時間がかかったり、各自治体によって制度の内容が異なりますので、融資を受ける時にはしっかり確認をした上で申し込むようにしましょう。 銀行融資 銀行融資は、一般的に企業や個人が銀行から融資を受けることです。日本政策金融機関や制度融資と比べると、金利が少し高くなることもありますが、高額の融資を受けられることから資金調達の方法としてはよく挙げられます。 銀行融資の大きな特徴として、経営に介入されないということや、取引実績を作ることで融資が受けやすくなるということが挙げられます。返済をきちんとしていれば、基本的に経営に介入される心配がなく、余計なストレスを受けずに済みます。また、銀行側としては純資産や経常利益の数字を重視しますので、プラスになっていることで次の融資が受けやすくなる可能性もあるのです。 ただし、銀行融資を受ける場合には、事業計画書や確定申告書などを提出し、事業の詳細を細かくチェックされるため、審査自体は厳しく融資を受けられないケースも多くあります。例えば、返済能力や資金用途に対しての信用性が低いことや、担保が乏しいこと、現在の収入や資産の状況が悪いことなどが挙げられます。 また、融資を受けるまでに数ヶ月程度の期間が必要になりますので、計画的な準備が必要です。 銀行融資をご検討される際には、しっかりと事業計画書を作成したり、融資を受けたいタイミングを考えるなどの事前準備をするようにしてください。 関連記事:銀行から創業融資を受けられる?創業融資が可能な金融機関を紹介 ビジネスローン ビジネスローンとは、法人や個人事業主に融資をすることを目的としたローンのことです。金融機関だけでなく、消費者金融やクレジットカード会社など様々な企業で取り扱っています。 審査がやさしいことや、入金までの期間が短いことが大きな特徴として挙げられます。審査の基準としては機関によって異なりますが、一般的には「2年以上の実績がある」または「2期分の決算書がある」と考えられています。しかし、ほとんどの場合、審査基準を公開していないため、上記の基準を満たさなければビジネスローンを組めないというわけでもありません。 入金までの期間として、最短で即日入金されるというケースも多く、事業資金の融資をすぐに受けたいという企業にとってはとても魅力的なローンです。 しかし、注意しておかなければならない点もいくつかあります。 それは、受けられる融資額が少額なこと、金利が他の資金調達の方法と比べ高いことです。ビジネスローンの融資限度額としての目安は数十万円〜1,000万円程度です。また、金利については幅広く、低いところであれば1〜5%程度ですが、基本的には10〜18%と高めに設定されています。 ビジネスローンでは、素早く融資を受けることができる反面、金利が高いことや少額の融資になるケースも多いため、現在の状況や希望融資額などをしっかりと把握した上でご検討することが重要です。 ファクタリング ファクタリングとは、企業が保有している売掛金(売掛債権)など未回収の債権を売却することです。ファクタリング会社に手数料を支払って未回収の債権を売却し、現金化できます。 ファクタリングは、これまでに解説したような融資を受けるというものではないため、返済の必要性がないことが大きな特徴です。また、ファクタリングを利用する企業の実績や、財務状況よりも売掛先の企業の信用性が高いことが重要視されることも特徴の一つです。 ただし、ファクタリングを利用する場合、手数料がかかります。手数料については、ファクタリング会社によっても異なりますが、一般的には2〜15%です。 担保が不要になることや短時間で現金化しやすいこと、融資ではないため返済が不要なことなど、企業にとって利用しやすいのが特徴です。しかし、本来受け取ることができる売掛債権から手数料を引かかれてしまうことや、利用するファクタリング会社によっては高額な手数料が発生する場合もありますので、日本政策金融公庫や制度融資などの融資を受けることができない時や、すぐに資金が必要な時に検討されるのが良いでしょう。 クラウドファンディング クラウドファンディングとは、企業経営の趣旨や考え方に賛同してくれる不特定多数の人からインターネットなどを通じて、資金を集めることです。「Crowd(群衆)」と「Funding(資金調達)」を組み合わせた造語です。 クラウドファンディングには大きく分けて3つのパターンが存在しており、「購入型」「寄付型」「融資型」が存在します。 購入型クラウドファンディングは、事業やプロジェクトに対して賛同する支援者がお金を支援し、支援者は返礼品を受け取るというものです。返礼品の中には、まだ世の中に普及していない製品や、限定の製品がある場合も多いため、支援者は十分なリターンを受けることができます。 寄付型クラウドファンディングは、購入型クラウドファンディング同様、事業やプロジェクトに対して賛同する支援者がお金を支援します。ただし、返礼品がなくお礼としての手紙やはがきを受け取ることが多いです。返礼品がない代わりに支援金額によっては、寄付金控除が受けられる可能性があります。 融資型クラウドファンディングは、事業に対して資産運用を考えている個人投資家から資金を集め、企業に融資するというものです。言葉の通り、融資をすることになるので利息が発生し、支援者はそれを受け取ることができます。 このように、クラウドファンディングの中にも色々な方法があるため、事業内容や事業計画に適切な方法を選択することが重要になるでしょう。 自己資金 自己資金とは、言葉の通り企業が保有している資金のことです。預金や、有価証券などが含まれます。使途が問われず自由に使うことができ、利息や手数料なども発生しないため、最も理想的な資金調達の手段です。 自己資金を多く準備しておくことで、有事の際にスムーズな対応ができることや、自己資金の金額によって融資を受けられる可能性も高まりますので、なるべく多くの自己資金を準備しておくと良いでしょう。 また、自己資金とは異なりますが、資産の売却などによって資金調達をする方法もあります。不良資産や遊休資産がある場合、それらを売却することで一時的な資金繰りの改善ができたり、コストの軽減につながることもあります。ただし、希望の金額での売却ができない可能性や、売却までに時間がかかる場合もありますので注意が必要です。 自己資金や資産の売却についても事業の内容や状況をもとに、しっかりと検討してください。 関連記事:自己資金なしでも創業融資は受けられる?注意点を解説 資金調達の流れを理解しよう 資金調達をするにも、手続きや準備が必要になる場合がほとんどです。本記事では、中小企業で最も利用されている融資の流れについて解説します。 融資での資金調達をする時には、一般的には以下のような流れです。また、ここでの融資には日本政策金融公庫、制度融資、銀行融資が含まれます。 ①相談、申し込み まずは、融資を受けたい機関(日本政策金融公庫や銀行など)の窓口にて、融資の相談を行います。相談の際には、事業計画書や決算書をもとに、具体的な融資についての内容を相談します。相談後、融資を申し込むということであれば、申請書の提出などを行います。申請書には、融資の目的や用途、返済計画、担保についてなどの情報が必要です。また、機関によっては、事業計画書や財務諸表などの提出が必要な場合があります。 ②審査 提出した申請書を元に融資先の機関が審査します。審査の基準は企業の信用性や返済能力、担保の有無など機関によって様々です。融資先の機関によって異なりますが、審査の結果がでるまでに、2〜4週間程度かかります。審査が通れば、借用証書などが送られてきます。また、融資先の機関によっては、面談などが実施される場合もあります。 ③契約締結 融資条件などが合意されると、実際に融資の契約を締結します。その際には必要書類なども準備をしたうえで契約を進めます。契約書には、融資の詳しい条件や、融資金額、返済スケジュールなどが明記されています。 ④資金の受け取り 契約が問題なく締結されると、融資先の機関から企業の指定口座に資金の入金が行われます。最短で融資先に契約書が届いてから3営業日程度です。ただし、契約をするために必要書類や入金の準備などある程度の時間が必要ですので、1週間程度は見ておくべきです。 関連記事:日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の流れをプロセスごとに解説 資金調達時の注意点とは? ここまでは、さまざまな資金調達の方法や特徴について解説しました。では、実際に利用する際にはどのような注意点があるのでしょうか。 下記に資金調達時の注意点をまとめましたので見ていきましょう。 事業の許認可を受ける 事業内容によっては、事業の許認可を受ける必要があります。これは、事業を行う上で法的な義務を果たすために必要な手続きです。そのため、事業の許認可を受けずに申し込みをした場合、融資先の審査時に問題があると判断されてしまい、融資を受けられない場合があります。許認可が受けられるタイミングや融資の申し込みをするタイミングなどをしっかり考えておきましょう。 また、機関によっては、融資を受け始めた後から許認可を取得することが可能な場合もあります。ですが、融資を受ける前に許認可を取得しておくことで、融資先からの信用につながる場合や、必要な手続きに追われるリスクの回避につながることもありますので、可能であれば早めに許認可を取得しておきましょう。 中小機構|許認可が必要な業種 補助金を利用する前に資金を用意する 事業を行う上で、補助金を利用するというのも一つの手段ではあります。補助金の場合、返済が不要なことや審査を通った上で受給できるため、社会的な信用があがることなど、メリットの多い手段です。ただし、補助金の場合、先に必要な資金は企業で支払わなければなりません。そのため、事業で支払う費用がなければ補助金の対象から外れ、受給できません。 つまり、まずは前述したような資金調達を行ってから補助金を活用しなければなりません。 現在の状況に合った手段を選択する 資金調達の方法はさまざまあり、それに伴いメリットやデメリットも考えられます。そのため、現在の事業の状況にあった資金調達の方法を選択し、利用することが何より重要です。 例えば、事業が立ち上がったばかりであれば、日本政策金融公庫の創業融資がお勧めです。銀行融資などを選択する場合、実績や担保が少ないことから、審査が通りづらく融資を受けられない可能性もあります。しかし、日本政策金融公庫の創業融資であれば、中小企業や個人事業主の資金調達の支援をメインに行っているため、比較的審査が通りやすくなっています。また、創業融資は無担保で申し込めるものもありますので、事業を立ち上げたばかりであれば、とても魅力的な方法です。 自社の状況をきちんと把握した上で、適切な資金調達の方法を選びましょう。 最適な資金調達を選択しよう 本記事では、経営者の方に向け、中小企業にとっての資金調達の方法や流れ、注意点について紹介しました。 事業を始める時、運転資金の確保など、資金調達はほとんどの企業が直面する課題です。その際に資金調達の方法やタイミングを間違えると事業に失敗する可能性も出てきます。特に中小企業や個人事業主であれば、資金調達の難易度が上がるため、顧問税理士など信頼できる専門家に相談しながら検討すると良いでしょう。 税理士法人プロゲートでは、資金調達のプロとして創業融資を中心に200件以上の支援実績がございます。また、当社は着手金なしの完全成功報酬です。資金調達に不安を感じている方や何から始めてよいのか分からない方など、お気軽にご相談ください。下記、お問い合わせフォームよりお待ちしております。


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創業融資は個人事業主でも受けられる?おすすめの資金調達と融資の流れを解説

多くの個人事業主にとって、独立してすぐに直面する課題は資金調達です。ですが、創業融資という制度を活用すれば、事業開始時の運転資金の確保やビジネスをスムーズに進めやすくなります。創業融資には様々な種類がありますが、最大3,000万円までの無担保・無保証人融資や、金利が低く据置期間が長い制度融資など、多種多様な創業融資制度が存在します。 そこで今回の記事では、個人事業主でも受けられる創業融資の種類や融資までの流れ、融資を成功させるためのポイントについて解説していきます。 個人事業主でも受けられる創業融資 個人事業主として開業していれば、様々な創業融資を受けることが可能です。まずは個人で受けられる創業融資について解説していきましょう。 信用金庫や信用組合の個人事業主向け創業融資 信用金庫や信用組合は地域や業種に根差した金融機関として個人事業主向けの創業融資を提供しています。信用金庫の創業融資には、信用保証協会が保証するものと、直接融資するものがあります。信用保証協会が提供する融資は、中小企業や個人事業主向けに利用されます。信用保証協会の保証付き融資は信用金庫や他の金融機関でも利用可能で、創業計画書が必要ですがひな型が用意されており、初めての方でも利用しやすい点が特徴です。 信用金庫が行う創業融資は、保証なしで融資を受けられるものです。ただし、これには貸し倒れのリスクが伴いますので、比較的規模の大きい事業に利用される傾向があります。信用金庫は事業者の返済能力や資金状況を検討し、適切な提案を行います。 信用金庫と信用組合は似た呼称の金融機関ですが、それぞれ違いがあります。それは、信用金庫が信用金庫法に基づいて規制されているのに対し、信用組合は中小企業等協同組合法によって設立されている点です。利用者の呼び方も異なり、信用金庫では会員と呼ばれますが、信用組合では組合員と呼ばれます。 また、それぞれは利用できる範囲にも違いがあります。信用組合は通常、市町村単位で展開されますが、信用金庫は特定の地域や業種に限定される場合があります。業種に特化した信用組合も存在しており、特に業域信用組合と呼ばれます。特定の地域や業種で創業する場合は、地元の信用金庫や業種に対応している信用組合が利用可能です。 日本政策金融公庫が実施している創業融資 新創業融資制度は、日本政策金融公庫が提供している事業資金融資制度であり、最大3,000万円を限度額として無担保・無保証人で融資が受けられることが創業融資の特徴です。対象者は新規事業や創業2期目までの事業者であり、自己資金の10分の1以上が要件ですが、同業種で経験のある者や特定創業支援事業を受けた者は除外されます。 日本政策金融公庫の創業融資を利用するメリットは、迅速な融資と無担保・無保証人での利用が挙げられます。特に個人事業主や小規模企業にとっては、民間金融機関での融資が難しい場合でも利用できる点が大きなメリットと言えるでしょう。さらに、融資までの期間が1カ月〜1カ月半と短く、手続きが迅速に行える点も大きな利点です。 関連記事:日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の流れをプロセスごとに解説 関連記事:起業家必見!日本政策金融公庫で創業融資を受ける場合の必要書類を紹介 地方自治体の創業融資 近年は、地方自治体が個人事業主をはじめとした起業家やスタートアップに対して創業支援を行うケースが増えてきました。地方自治体が起業家の支援に注力する理由は、「創業支援や企業誘致が地域経済に最も効果的である」という点です。新たな企業が地元に誕生すると、法人市民税をはじめとした税収が増加し、雇用機会が生まれ、これにより地域経済の活性化に貢献します。さらに、その企業が地域に定着すると、新たな企業が育成され、地域の発展につながります。同様に、地方自治体によっては融資だけでなく補助金を出しているケースもあります。移住を伴う起業であれば、移住に関する補助金が受けられるかもしれません。 一般的な地方自治体の創業融資制度は、低金利や無担保・無保証などが特徴です。これにより、創業資金の一部または全額の利子相当額が補助されます。次に、融資制度以外の支援についてです。地方自治体は地域の状況や課題を把握しており、起業家に対して適切な助言や支援を提供しています。起業塾やセミナー、個別相談などのプログラムがあります。 ただし、融資は確実に受けられるわけではなく、手続きに時間がかかる場合もあります。創業支援を受けることを目的に移住を検討している場合は、融資制度のある自治体に移ることを決断する前に、自治体が提供する個別相談などの支援を利用することをおすすめします。 個人事業主が創業融資を受ける場合の流れ 続いて、個人事業主が創業融資を受ける場合の流れについて紹介していきます。 ①自己資金を調達する どのような創業融資を受けるかに関わらず、原則として自己資金がゼロの状態で創業支援を受けるのは簡単ではありません。また、日本政策金融公庫の新創業融資制度のように創業資金の10分の1以上の自己資金が融資の条件となるケースがあります。 例えば、1,000万円の創業資金が必要な場合、その10分の1である100万円は最低限用意しなければなりません。ただし、自己資金の9倍を必ず借りられるわけではなく、実際には自己資金の2~5倍程度の融資がほとんどです。創業融資に必要な金額を算出したら、その金額の1割程度の自己資金を用意できるように資金調達しておきましょう。 関連記事:自己資金なしでも創業融資は受けられる?注意点を解説 ②どの創業融資を受けるかを決める 起業の準備が整ったら、どの創業融資を受けるかを検討します。 創業直後の資金調達方法としておすすめしたいのは、日本政策金融公庫と地方自治体の融資です。日本政策金融公庫は、創業を支援する機関ですので、創業融資を最も受けやすいといえるでしょう。特に注目すべきは「新創業融資制度」です。この制度は、個人事業主をはじめとした起業家、事業開始後に確定申告を2期分行っていない方を対象に、担保や保証人なしで融資を受けられるものです。 また、地方自治体の制度融資も選択肢に入れておきましょう。これは先ほど紹介したように都道府県や市区町村などが、起業直後の個人事業主や起業家を支援する制度です。通常では融資が難しいケースでも、自治体の紹介状があれば融資が可能になります。この制度を活用することで、低金利で長期間にわたって融資を受けることができるなど、多くのメリットがあります。 ③必要書類を作成する どの制度を利用して創業融資を受ける場合にも、「融資申込書」と「創業計画書」の作成が必要となります。融資申込書は申込者の基本情報や融資の詳細を記入する書類で、金融機関などの窓口やホームページから入手し、申し込みます。 「創業計画書」は 創業の動機や経営計画、資金調達方法などを詳細に記入する書類です。創業計画書の出来が融資の可否を左右すると言っても過言ではない重要な書類です。しっかりと作り込むようにしましょう。その他にも「月別収支計画書(資金繰り計画書)」や「見積書(設備資金が必要な場合)」などの提出が求められる場合がありますので、指定の書類を準備します。 ④創業融資の申し込みをする 書類作成の目処がついたら、創業融資の申し込みを行いましょう。事前に必要書類を聞くなどで相談している場合は、そのまま担当者に創業融資の申し込みを行いましょう。多くの場合、創業融資を申し込むと面談を行うことになります。この際に面談に必要な必要書類を忘れずに聞いておき、面談までに準備しましょう。 どの制度を利用する場合も面談は約1時間で行われます。面談ではビジネスマナーに沿った服装を心がけましょう。自身の創業計画や業界動向についての理解、意気込みが評価されますので、自身の熱意や取り組みを伝えることが重要です。 ⑤創業融資の審査を受ける 創業融資の審査は面談と提出された事業計画書を元に行われます。特別な事情がなければ、遠隔地の物件を担保にする場合を除き、面談や現地調査から最大でも1週間程度で結果が通知されます。融資にあたって不動産を担保にしている場合は審査担当者が実際の店舗や事業所、自宅など担保になる物件の確認のため訪問するケースもあります。 ⑥創業融資が実行される 審査に合格し、創業融資が実行されると、借用証書などの書類が届きます。「借用証書」は融資が行われたことを証明する書類です。融資額に応じた収入印紙を貼り、借入人および連帯保証人(必要な場合)の署名と実印を押印します。必要書類を記入し、銀行口座で提出すると創業融資のお金が申込者の口座に振り込まれ、創業融資が完了します。 不動産担保を設定している場合、担保設定登記が完了してから融資金が振り込まれます。通常、この登記は司法書士によって行われますが、自己で行うことも可能です。ただし不備があればやり直す必要があり、その分融資が遅れるため注意が必要です。 個人事業主が創業融資を受ける場合の3つのポイント 最後に、個人事業主が創業融資を受ける場合のポイントについて解説していきましょう。 自分の信用情報をチェックする 創業融資を受ける場合に重要なのは「信用情報を綺麗にしておく」ということです。信用情報は、過去の支払いに関する遅延や滞納に関する情報です。クレジットカードや消費者金融ローンなどの支払いの遅延や滞納だけでなく、債務整理や自己破産なども審査に影響を与えます。 お金を借りること自体は問題ありませんが、滞納や延滞を繰り返すと、信用情報に傷がつき、それが数年間残ります。信用情報に傷がつくと、融資の審査に通りにくくなります。自分の信用情報が気になる場合は、信用情報を管理している機関で情報照会を行うと安心です。 同様に、公共料金や税金の滞納には注意しましょう。公共料金や税金の滞納があると、日本政策金融公庫などの機関から融資を受けることが難しくなります。公共料金や税金は信用情報に記載されませんが、審査の際には提出される半年分の記帳がある通帳や、支払いの領収書が求められます。そのため、公共料金や税金の支払い状況は必ずチェックされます。 支払いが遅れている場合、審査で必ずしも不合格になるわけではありませんが、評価が低下する可能性があります。必ず滞納や支払いの遅延があればまとめて支払っておきましょう。 創業融資の際の審査ポイントを把握しておく 銀行での融資が難しい中小企業や小規模事業者、そして新規創業者にとって、信用金庫や信用組合、日本政策金融公庫は審査に通過しやすい傾向があります。ただし、審査基準が緩くなるわけではありません。審査を通過するためには、しっかりと準備を整えることが必要です。 そこで、融資審査を通過するための書類作成方法をご紹介しておきましょう。 1、事業計画書に現実的な内容を記載する 金融機関の審査では、事業計画書に具体的な内容を記載することが重要です。具体的な事業内容や取引可能な取引先一覧など、現実的な情報を提供してください。融資の申し込みには事業計画書の提出が必要ですが、内容が妥当かどうかが審査のポイントです。特に創業時には、事業の具体性を示すことが重要です。 2、資金用途を明確にする 資金用途をはっきりさせることも重要です。資金用途が明確でないと、審査に通らないか、融資額が減額される可能性があります。資金用途を明確にし、それを証明する書類を用意しましょう。不動産の購入や設備投資など高額な投資を行う場合には見積書の提出が求められるため、事前に用意しておくことも重要です。 3、説得力のある資金計画を立てる 当然ですが、金融機関は事業者からの返済を前提に融資を行います。ですから、返済見込みのある事業でなければ融資は行いません。したがって、明確な資金計画を立てることが必要です。創業後の売上や経費、資金の流れを明確にし、説得力のある資金計画を提出しましょう。 ビジネスを行う分野での事業経験をアピールする 創業融資を受ける際は、申込者本人が今後始めようとしている事業と同じ業界経験を持っているかどうかが審査されます。例えば、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」では、融資を申請する際には、6年以上の業種経験が求められます。 創業融資を申し込むことは、特定の業種に特化した事業を立ち上げることを意味し、その分野での経験が重要とされます。融資を判断する側にとっても、申請者が業種に精通しているかどうかを知ることは重要です。事業を軌道に乗せ、返済可能かどうかが最も懸念される点です。6年以上の経験がなくても、業種経験を理解してもらい、融資が成立する可能性はあります。未経験の場合でも、アルバイトなどで半年から1年程度の経験を積んでから申し込むことが重要です。 業界経験がなく、経験を積む時間的な猶予がない場合には、業界経験以外のアピールが必要です。未経験でも、事業を支援してくれる人がいれば創業融資を成功させる可能性が高まります。例えば、英会話スクールを開業するが業界未経験の場合、配偶者が外国人で英会話スクールに勤務し、その生徒があなたのスクールに移ることを確約するという場合、融資の成功率は高まります。 自分自身に人脈がない場合は、配偶者や親、兄弟などから始めて徐々に広げていきましょう。人脈はネット上でも構築できますが、突然ビジネスの話を持ち出すのではなく、まずは会って関心を示し、少しずつ関係を深めることが重要です。 業界未経験者が創業融資を受けるのは難しいかもしれませんが、経験だけでなく人脈や資金、計画、情熱などが揃っていれば可能性は広がります。融資を受けるためには、これらのポイントを押さえて準備しましょう。 融資実行率90%以上のプロゲートへご相談! 創業融資は、個人事業主が事業のスタートを切るために重要なことであり、最初に越えるべきハードルといえるでしょう。近年は様々な金融機関だけでなく地方自治体も個人事業主や起業家をサポートしており、無担保・無保証人融資や、金利が低く据置期間が長い制度融資など、自分に合った融資制度を選択することが重要です。融資申し込みの流れは、自己資金調達、融資制度選択、書類作成、申し込み、審査、実行となります。審査通過率を高めるためには、自己資金の準備、創業分野での経験、信用情報の管理、公共料金の滞納防止などがポイントです。今回の記事でご紹介したこれらのステップを自分だけで乗り越えようとするのは相当な労力が必要となりますので、ぜひ税理士などの専門家のサポートを受けながら進めていくことをおすすめします。 税理士法人プロゲートは創業支援のプロフェッショナルとして、個人事業主の皆様の創業融資の実行をはじめとした資金調達、税務などをサポートしています。創業融資についてお悩みの場合には、ぜひお気軽にご相談ください。 関連記事:銀行から創業融資を受けられる?創業融資が可能な金融機関を紹介