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利益とキャッシュがズレるわけとは?
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黒字倒産の真実!利益とキャッシュがズレるわけとは?

前回、黒字倒産の理由として利益とキャッシュのズレについてお伝えさせていただきました。今回も続きとして解説していきます。 https://www.youtube.com/watch?v=BZWXcPOG_14 利益とキャッシュがズレる理由とは 減価償却 減価償却も利益とキャッシュのズレに繋がります。 例えば500万円の社用車を一括で購入した場合、5年間で減価償却していくと仮定すると会計上は最初の年に固定資産として500万円が車両運搬具として資産に計上されます。使用する期間は5年のため、減価償却費が5年間に渡って100万円ずつ経費として計上されます。 一方キャッシュの流れを考えてみると、購入時に一括で500万円支払うため支出は最初の年に500万円出ていきますが、費用は1年分の減価償却費100万円しかありません。そうすると利益としては減価償却費という費用の−100万円なのですが、キャッシュは500万円出ているので、400万円のズレが生じます。2年目以降はキャッシュの支出はありませんが、減価償却費が100万円生じるので、利益は−100万円ですがキャッシュは±0なので、利益よりもキャッシュの方が多い状況になります。 売掛金のタイミング 今売上を上げて入金が1年後の場合、利益は出ますが、回収が1年後であれば当然お金は足りなくなります。売掛金の回収期間が長いと資金繰りが悪くなることになります。 また売掛金は回収するまでは貸し倒れするリスクもあります。そのため、しっかりと取引先の与信の状況などもチェックすることが必要です。 利益とキャッシュの関係はどう考えるべき? 利益がどうキャッシュに影響するかということですが、最初は利益分はキャッシュが増えているという考え方からスタートして良いでしょう。ただ、例えば今年1,000万円利益が出たけれどお金が500万円減った場合、利益分がそのままキャッシュになるとすると1,500万円の現金が減っているということになります。その原因は貸借対照表をみることで発見することができます。貸借対照表の左側にある資産の現金・現預金以外のものが昨年より増えた場合はキャッシュにマイナスの影響があります。反対に貸借対照表の右側の負債が昨年より増えているということは、キャッシュにプラスの影響を与えています。 ただ、注意すべきなのは、これは昨年と今年を比べた今時点の話ということです。借入金などの負債が増えれば確かに今時点のキャッシュは作れますが、将来的には返済するため借入金の負債は返済と共に減っていきます。つまり負債が減っていくということは将来的にはキャッシュも減っていくということになります。逆に将来的に資産が減っていけば、車なども減価償却で価値は減っていきますがキャッシュはプラスになっていくということになります。 このように将来的な面で考えるか、今の面で考えるかによって、逆の考え方になります。 黒字倒産が多い業種とは? 前回の記事でもお伝えしましたが、在庫が多い業種は黒字倒産のリスクが高いです。黒字倒産のケースで多いのが建設業だと言われています。これは工事完了前に外注費や人件費、多額な材料費などの経費が発生します。工事が完成するまでの期間が長く、さらに工事が完成して売上が確定し、その売掛金が入金されるまでの間に資金繰りが悪化して倒産してしまうという場合があります。また、資材の高騰などで見積もりしていた金額よりも実際に工事に取りかかった時にかかった材料費の方が多かったということが発生した場合、契約にもよりますが工事を請け負った人が責任を取らなければならないというケースもあります。 また、公共工事などは財務状況などによって請け負える工事の範囲が変わるため財務状況がよくないといけないという場合があり、赤字にしにくいという面が建設業はあります。そのためそれが結果的に黒字倒産につながっているという面はあるかもしれません。 その他、製造業や卸売業は在庫や売掛金が多くなりがちな業種と言えるでしょう。売掛金の回収までに時間がかかったり、売掛金の管理がしきれず貸し倒れてしまったりということもあります。 また、世間の影響を受けやすい業種というのもリスクが高いです。アパレルなどはトレンドが変わると売れ残ってしまい、在庫を抱え処分してしまうということで、黒字倒産につながってしまうというケースもあります。 十分に検討しましょう 急成長・急拡大した時に資金繰りが急激に悪化するケースもあります。売上規模が拡大すると当然その前に仕入れが多くなったり、在庫を大量に抱えなくてはいけなかったり、各拠点に倉庫の設備投資が出てきたりと様々な経費が売上の回収よりも先に出てしまうため、かなり資金繰りは悪化します。そのため、そういった場合には金融機関と事前に十分な打ち合わせをして、その拡大するものにかかる資金を十分に検討して拡大していくということが重要です。 今回も、利益とキャッシュのズレについて解説させていただきました。 ご不安点やご相談がある場合は弊社までお気軽にご連絡ください。 関連記事:利益=お金ではない!?会社のお金が減る仕組みを解説! 関連記事:【保存版】中小企業の資金繰りが厳しいときにやるべきこと 関連記事:資金繰りが危機的状況から復活した方の話


会社のお金が減る仕組みを解説!
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利益=お金ではない!?会社のお金が減る仕組みを解説!

会社の利益は上がっているのに、現金が減っているという状況がある場合があります。そこで今回は、なぜそのような状況になるのかについて解説していきます。 https://www.youtube.com/watch?v=m9FVTACnfAI 利益とキャッシュは一致しない? 利益というのは会計上の儲けを表す概念ですが、これは売上などの収益から様々な経費・費用を差し引いて求めます。ただ、資金(=キャッシュ)は実際にある現金預金のことですので、この利益とキャッシュは全くイコールにはなりません。利益が出ていても手元のキャッシュとして残るとは限らないのです。決算申告の際に会社の利益が例えば1,000万円出ている場合、大体3分の1ほど法人税がかかりますが実際は現預金が0ということもあり得ます。 これらが一致しない原因は様々ありますが、多くの場合は会計上の収益や費用の計上時期と現金の収入支出、つまり実際に現金が出ていく・入ってくるタイミングが異なるからです。 なぜ現金が減るのか? お金の支出と利益が一致しないという例は多くあります。 例えば土地を会社で買った場合、土地という資産は手に入りますが、その分の現金は出ていくことになります。ただ現金は出ていきますが、土地の取得は収益にも費用にもなりません。その土地を使って将来的には利益を上げていくことにはなりますが、実際に売る時までは1円もお金になりません。 黒字倒産とは? 黒字倒産は、利益とキャッシュのズレが原因の場合が多いです。一般的には倒産というのは会社が赤字だからというわけではなく、借金や債務、買掛金が支払えないなど返済できない状況など資金繰りが立ち行かなくなるような状況のことをいいます。 そのため、決算書上では利益が出て黒字であるにも関わらず、資金繰りが立ち行かなくなるケースというのは実質的に倒産状態になるということもあります。このような状況を黒字倒産といいます。 黒字倒産の理由とは? 利益とキャッシュのズレ 黒字倒産、つまり利益が出ているけれどキャッシュが足りないということになるかと思いますが、この理由としては上記でもお伝えしましたが、利益とキャッシュのズレが挙げられます。企業の取引では、商品の販売後すぐに代金が回収されるとは限りません。販売から数ヶ月後の入金などの場合には、その間に人件費や仕入れの費用、借入金の毎月の返済などの支払資金を捻出しなければなりません。このような時に資金が足りなくなり、売掛金の入金の前に倒産になってしまうということがあります。 この利益とキャッシュのズレについては仕組みを大まかに理解していただくと分かりやすいかと思います。例えば、銀行からの借入金などの負債は、銀行から借りた際入金されますがこれは利益には全く影響しません。しかし、負債が増加するということは将来的には黒字倒産が発生するリスクになります。借りる時にお金が入ってきたとしても利益にはなりませんが、反対にこの借入を返済する時は経費にはならないけれどお金は出ていくということになるのです。そうなると手元資金は減りますが、利益とは一致しない、まさに利益とキャッシュのズレということが生じます。 在庫の保有 適正な在庫というのは通常の事業活動には欠かせないものですが、過剰に在庫を保有するということも黒字倒産の大きなリスクになります。 商品や材料を仕入れる時は仕入れという経費で仕入れますが、売れ残っているものは一時的に材料や商品といういわゆる棚卸資産という資産に変わります。これは販売するまではキャッシュは回収されません。そのため棚卸資産は手元資金の減少要因となります。 設備投資 土地や不動産、機械、建物などを設備投資といいますが、この設備投資は将来的な利益やキャッシュの獲得のために重要な支出です。ただ、資金繰りの観点からは一時的に大きなキャッシュのマイナスになります。設備投資した金額は数年に渡って減価償却しますが、この設備投資で支出したキャッシュと減価償却で費用化するタイミングが異なるため利益とキャッシュのズレが生じます。設備投資する際には、手持ちのキャッシュに加えて金融機関からの借入金などを通じて資金繰りのシミュレーションを十分に行うことが重要です。 お気軽にご相談ください! 今回は会社の利益は上がっているのに、現金が減っているという状況についてお伝えしました。次回も今回の続きとして解説していきます。 ご不安な点などある場合は是非弊社までお気軽にご相談ください。 関連記事:【保存版】中小企業の資金繰りが厳しいときにやるべきこと 関連記事:資金繰りが危機的状況から復活した方の話


資金繰りが危機的状況から復活した方の話
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資金繰りが危機的状況から復活した方の話

前回の記事で会社の資金繰りが厳しいときにやるべきことをまとめました。今回は実際のお客様で資金繰りが厳しかったけれども復活した方のエピソードなどをお伝えしていきたいと思います。 https://www.youtube.com/watch?v=XFWWPVerbko 顧問先の財務状況の良し悪しはすぐに分かる? 顧問先の財務状況の良し悪しは程度によりますが、決算書を確認すると大体分かります。決算書は現預金がいくらあるか、借り入れがどれくらいあるかなどの情報を網羅しますので、もちろん今悪いというのはすぐに分かりますし、悪くなりそうだということもある程度は把握することができます。そういった場合は、今後の見通しを伺いながら、現在の状況の共有、改善案などをお打ち合わせするようにしています。業績が悪い場合では、銀行融資なども通りづらいことがほとんどですので、これ以上悪くならないように早く手を打つことが必要です。 資金繰りが厳しい状況から復活したお客様 実際に顧問先のお客様で資金繰りが厳しい状況から復活した方もいらっしゃいます。そのお客様は震災の影響があり、税金や社会保険料を申告、納付していない期間があったため、5年ほど経った時まとめて申告するよう催促が来ました。金額は2,000万円〜3,000万円ほどです。一度には払えない金額のため分割で支払うこととなりましたが、そのお客様は、納付をする際に年金事務所、税務署に行くようにし、担当者の方に状況を都度報告するということをかかさずなさっていました。そのような姿勢でいたところ、担当者の方の態度も軟化し、応援してくれるようになったそうです。 分割の支払があるため、しばらくは資金繰りが厳しい状態で経営をされていましたが、数年前に社会保険料や税金など全部完済して資金繰りも改善され、以前より安定して経営ができるようになっています。 対応する担当者の方も人なので、こちらの態度が悪ければそれなりの態度で返ってきますし、きちんとしていて「頑張って欲しい」と思ってもらえたら、例えば「こういうふうにしたらいいのでは」などの助言をもしかしたらいただけるかもしれません。本当に厳しい状況下こそ、真面目な姿勢、真摯に取り組む姿勢が非常に重要だと思います。 経営状態が悪いときにやるべきこと 資金繰りが悪化し経営状態が悪いときには、取引先を変えたり、値上げをきちんと行うなどの赤字解消のための行動が取れない、取りずらい場合もあるかと思います。ただ、もし今までの取引では赤字となり、今後倒産してしまうとなった場合には、交渉などは可能な限り早く行う必要があります。赤字になっている原因を解消するための行動は、1秒でも早くやるということは非常に重要です。 弊社へお気軽にご相談ください 資金繰りで苦しまないために事前に対策をするということや、万が一そのような状況になったとしても、やるべきことをきちんと行っていくことが大切です。 資金繰りなどに関してご相談がある方は弊社へお気軽にご相談ください。 関連記事:【保存版】中小企業の資金繰りが厳しいときにやるべきこと 関連記事:仙台市で創業融資を考えている方は「仙台創業融資支援センター」を活用しよう! 関連記事:利益=お金ではない!?会社のお金が減る仕組みを解説!


資金繰りが厳しいときにやるべきこと
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【保存版】中小企業の資金繰りが厳しいときにやるべきこと

今回は会社の資金繰りが厳しいときにやるべきことをお伝えしていきたいと思います。 https://www.youtube.com/watch?v=gBdmb4qF9j0 資金繰りが厳しいときの対応の流れ 資金繰りが厳しいとき、何からどう行動すれば良いのかですが、まずは「あと何ヶ月持つか」を把握することが最優先です。具体的には現状での資金繰り表を作るということです。例えば、2〜3ヶ月先の売上の見込みや経費の見込みがある程度予測できるかと思います。その収支と返済などを含めて、資金繰りが危ないということは、支出の方が多いということになります。 資金繰り表を作成し、いつまでに何とかしなければいけないのかということを把握し、そこからどうすべきか作戦を立てていく形になります。 資金繰りが悪化しないために気をつけるべきこと 資金繰りの悪化の仕方で「徐々に資金繰りが悪くなる」というのは、最も怖い悪化の仕方と言えます。一気に資金繰りが悪くなるようなケースでは、入金が遅れたり、支出が回避が難しいところで増えてしまったりなどやむを得ない事情での場合もあります。そのため、金融機関としても業績がそこまで悪くなければ、借入等の援助もしやすい面もあります。一方で徐々に資金繰りが悪くなる場合には、そもそもお金が出ていくビジネスモデルであるため資金繰りが悪化する、ということであるので、金融機関では長期間対策をせず資金を減らしてしまった事業主と捉えられてしまいます。1回目、2回目は運転資金の借入ができたとしても、その後の借入は難しくなるでしょう。運転資金は業績をあげるための時間稼ぎのような要素が強いので、業績改善の当てがない状態で借りてしまうとただ資金が目減りしつづけ、最終的に借入もできなくなり、打つ手がなくなるという状況になることも考えられます。きちんと日頃から業績管理をするなど、自分の事業の状態を把握して都度対策をするということが重要です。 資金繰りが厳しいときの資金調達方法 資金繰りが厳しいときの資金調達方法として一番優先度が高いのは銀行からの長期融資です。こちらも含め方法としては以下の方法が挙げられます。 ・銀行から借り入れる(長期) ・銀行から借り入れる(短期) ・カードローンで借り入れる ・経営者個人が会社にお金を入れる ・役員個人で借り入れをして会社に入れる ・投資家などから出資を受ける ファクタリングとは? ファクタリングとは、売掛金や他の会社にお金を貸した場合の貸付金などの債権を現金化することをいいます。売掛金、手形などは入金まで時間がかかります。手数料を払う事で債権を現金化し、入金までの時間を減らすことを目的としています。例えば、3ヶ月後に200万円入るという債権があったとします。この時、今お金が必要なのでこの債権を売る、つまり本来は200万円入るけれど今現金化を行うので180万円ほどで現金化して欲しいとファクタリング会社に債権を渡します。そのファクタリング会社は180万円で債権を購入し、2ヶ月後に200万円が入金されるので、20万円の利益が得られる、という形の取引になります。 資金繰りは日頃からきちんと把握しておきましょう 資金繰りは、現状は厳しいと思っていなくても今後危なくなるという場合もあります。日頃からお金の流れはきちんと把握しこまめに管理し、資金繰りの見通しや損益の見通しを常に把握しておくことで、事前に対処することも容易になります。 資金繰りに関してご相談がある方は、弊社へお気軽にご相談ください。 関連記事:仙台市で創業融資を考えている方は「仙台創業融資支援センター」を活用しよう! 関連記事:資金繰りが危機的状況から復活した方の話 関連記事:利益=お金ではない!?会社のお金が減る仕組みを解説!


小規模企業共済の賢い使い方
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小規模企業共済の賢い使い方とは?

前回の記事では、小規模企業共済の概要についてお伝えしました。 小規模企業共済とは個人事業主や法人の役員が加入できる退職金積立制度のことです。毎月1,000円〜7万円の掛金(500円単位で設定可能)で、この掛金は全額所得控除を受けることができます。 今回はさらに詳しく、使い方について解説していきます。 https://www.youtube.com/watch?v=LwbinBMEgME 貸付制度について 小規模企業共済は貸付制度がありますが、この用途に制限はありません。一般貸付制度の返済方法は借入期間が6ヶ月あるいは12ヶ月の場合は一括償還で、24ヶ月以上の場合は6ヶ月ごとの元金均等割賦償還(元金のみ均等に返済)となります。詳しくは以下の通りです。 借入金額借入期間100万円以下6ヶ月・12ヶ月105万円〜300万円6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月305万円〜500万円6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月・36ヶ月500万円以上6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月・36ヶ月・60ヶ月 所得いくらから加入を検討すべき? この小規模企業共済は、所得控除を目的として加入される方もいらっしゃるかと思います。その場合、役員報酬はいくらから検討すべきでしょうか。 これは掛金の設定にもよりますが、おおよそ年間500万円ほどの年収で月1万円〜2万円掛けるだけでも所得控除としては効果があると思います。ご家族の状況や他の控除の金額との兼ね合いなどでも変わるため一概には言えませんが、何もない状態で言えば、400万円〜500万円ほどで、掛金を年間24万円ほどで払っていると、目に見えて「ちょっと税金が少なくなったな」と感じられるほどにはなるかと思います。 ただ、この制度は従業員数が5人以下でないと加入することはできませんので注意しましょう。 加入を検討するにあたって 小規模企業共済は生活費から積み立てる、個人の生命保険などと同じ枠となります。そのため、加入して払う掛金分は他に用途がないのか、加入前にはしっかりと検討をしましょう。 保険料は控除額に上限がありますが、この小規模企業共済は払った金額に税率をかけた金額が戻ってくるため、その点ではメリットがあると言えるでしょう。 今回の小規模企業共済は個人事業主や役員など個人に関する制度ですが、法人の節税なども含めて関心がある方は是非弊社までお気軽にご相談ください。 関連記事:小規模企業共済は本当に入るべき?


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