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利益=お金ではない!?会社のお金が減る仕組みを解説!
会社の利益は上がっているのに、現金が減っているという状況がある場合があります。そこで今回は、なぜそのような状況になるのかについて解説していきます。

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利益とキャッシュは一致しない?
利益というのは会計上の儲けを表す概念ですが、これは売上などの収益から様々な経費・費用を差し引いて求めます。ただ、資金(=キャッシュ)は実際にある現金預金のことですので、この利益とキャッシュは全くイコールにはなりません。利益が出ていても手元のキャッシュとして残るとは限らないのです。決算申告の際に会社の利益が例えば1,000万円出ている場合、大体3分の1ほど法人税がかかりますが実際は現預金が0ということもあり得ます。
これらが一致しない原因は様々ありますが、多くの場合は会計上の収益や費用の計上時期と現金の収入支出、つまり実際に現金が出ていく・入ってくるタイミングが異なるからです。
なぜ現金が減るのか?
お金の支出と利益が一致しないという例は多くあります。
例えば土地を会社で買った場合、土地という資産は手に入りますが、その分の現金は出ていくことになります。ただ現金は出ていきますが、土地の取得は収益にも費用にもなりません。その土地を使って将来的には利益を上げていくことにはなりますが、実際に売る時までは1円もお金になりません。
黒字倒産とは?
黒字倒産は、利益とキャッシュのズレが原因の場合が多いです。一般的には倒産というのは会社が赤字だからというわけではなく、借金や債務、買掛金が支払えないなど返済できない状況など資金繰りが立ち行かなくなるような状況のことをいいます。
そのため、決算書上では利益が出て黒字であるにも関わらず、資金繰りが立ち行かなくなるケースというのは実質的に倒産状態になるということもあります。このような状況を黒字倒産といいます。
黒字倒産の理由とは?
利益とキャッシュのズレ
黒字倒産、つまり利益が出ているけれどキャッシュが足りないということになるかと思いますが、この理由としては上記でもお伝えしましたが、利益とキャッシュのズレが挙げられます。企業の取引では、商品の販売後すぐに代金が回収されるとは限りません。販売から数ヶ月後の入金などの場合には、その間に人件費や仕入れの費用、借入金の毎月の返済などの支払資金を捻出しなければなりません。このような時に資金が足りなくなり、売掛金の入金の前に倒産になってしまうということがあります。
この利益とキャッシュのズレについては仕組みを大まかに理解していただくと分かりやすいかと思います。例えば、銀行からの借入金などの負債は、銀行から借りた際入金されますがこれは利益には全く影響しません。しかし、負債が増加するということは将来的には黒字倒産が発生するリスクになります。借りる時にお金が入ってきたとしても利益にはなりませんが、反対にこの借入を返済する時は経費にはならないけれどお金は出ていくということになるのです。そうなると手元資金は減りますが、利益とは一致しない、まさに利益とキャッシュのズレということが生じます。
在庫の保有
適正な在庫というのは通常の事業活動には欠かせないものですが、過剰に在庫を保有するということも黒字倒産の大きなリスクになります。
商品や材料を仕入れる時は仕入れという経費で仕入れますが、売れ残っているものは一時的に材料や商品といういわゆる棚卸資産という資産に変わります。これは販売するまではキャッシュは回収されません。そのため棚卸資産は手元資金の減少要因となります。
設備投資
土地や不動産、機械、建物などを設備投資といいますが、この設備投資は将来的な利益やキャッシュの獲得のために重要な支出です。ただ、資金繰りの観点からは一時的に大きなキャッシュのマイナスになります。設備投資した金額は数年に渡って減価償却しますが、この設備投資で支出したキャッシュと減価償却で費用化するタイミングが異なるため利益とキャッシュのズレが生じます。設備投資する際には、手持ちのキャッシュに加えて金融機関からの借入金などを通じて資金繰りのシミュレーションを十分に行うことが重要です。
お気軽にご相談ください!
今回は会社の利益は上がっているのに、現金が減っているという状況についてお伝えしました。次回も今回の続きとして解説していきます。
ご不安な点などある場合は是非弊社までお気軽にご相談ください。

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投稿日: 2025年8月4日 10:44 am
更新日: 2025年9月8日 9:56 am