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黒字倒産しないために経営者はどのような意識を持つべき?

経営者

前回の記事で黒字倒産しないためにやるべきこととしていくつかのポイントをお伝えさせていただきました。

今回は、前回の続きとして経営者はどのような意識を持つべきなのか、また注意すべきことについて解説いたします。

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通常の事業活動でどのような意識を持つべき?

資金繰りが悪化する要因は、商品や材料などのいわゆる棚卸資産の過剰在庫や売掛金の回収遅れなどが挙げられます。これら以外にも、土地取得など資金が固定化されやすい投資も注意が必要です。

貸借対照表の左側にある、現預金以外の資産については資産としての価値と実際の価値が異なることが多々あります。例えば土地などは、購入時の価格から今は価格が下がっている場合でも、原則として会計上は資産として購入時の金額が載っています。実際に売る時は下がった金額のため含み損になっているということになります。また、貸し倒れている売掛金があったとしても、貸し倒れが発生するまで分かりません。

一方で右側(負債)は、帳簿上の金額=将来返済すべき金額です。

つまり「資産は思ったほど価値がない一方で、負債は確実に返済が必要」というアンバランスが、資金繰り悪化の大きな要因になるのです。

過度な節税に注意する

税負担を軽くするための節税は大切ですが、必要以上に利益を圧縮する過度な節税をしてしまうと資金繰りを圧迫するケースに繋がります。

例えば利益が1,000万円出たとして、おおよそ3分の1の300万円ほど法人税を払うことになります。ただその法人税を払いたくないからといって、利益1,000万円で、1,000万円経費を出したとします。そうすると法人税は0になりますが、経費として払った1,000万円はキャッシュとして出ていきます。もし法人税を支払っていれば、700万円ほどは手元に現金が残っていたにも関わらず、1,000万円経費として出して節税をしたことによって税金は0ですが手元の資金も0になってしまいます。

必要な利益の考え方ですが、最低限必要な資金として借入の返済額は確保しなければいけません。税金を払った後の利益と減価償却費が年間の返済額以上になる(税引後利益+減価償却費≧年間の返済額)、少なくともそれまでは利益を出さないと毎年キャッシュが減っていってしまいます。

資金繰りに関する助言や指導もさせていただいています

今回は、黒字倒産しないために経営者として意識すべきことをお伝えしました。弊社は、資金繰りに関する助言や指導もさせていただいています。顧問先のお客様で売掛金が何ヶ月も入っていない取引先などがある場合は、「ここの取引先は大丈夫ですか」という声掛けや、売上規模はあまり増えていないにも関わらず在庫が増えている場合などは数値を見て分かるため、毎月の帳簿を見て、または決算時に昨年と比較し、お話をさせていただくこともあります。

また節税に関するお話もさせていただいています。基本的に私たちは全ての借入のあるお客様に返済計画表というものを作成させていただき、翌年の必要な利益に関するアドバイスなどを行っています。資金の計画と来年の設備投資の計画を事前に把握することは重要です。

何かご相談をお持ちの場合は弊社までお気軽にお問い合わせください。

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投稿日: 2025年9月8日   9:54 am